mixiユーザー(id:2399973)

2013年06月04日09:30

38 view

「はじまりのみち」〜加瀬亮的木下惠介

木下惠介生誕100年記念映画。監督はクレヨンしんちゃんなど多くのアニメ作品を作った原恵一。実写作品第一作とのこと。終戦前後の木下惠介を演じるのが加瀬亮。抑制の効いた演技が実に上手かった。そしてセリフほとんどなし、表情だけですべてを語っていた母親役に田中裕子。木下の疎開先である静岡・浜松、その自然描写も美しい。

途中、戦時中の木下作品「陸軍」のクライマックスシーンがけっこうな長さで流れる。いわゆる映画内映画。そして最初のうちはすこしかったるいとも感じた本篇全体のテンポはこの作品にシンクロさせていたのだと気がつく。その「陸軍」のなかで出征兵士の母親を演じる田中絹代と本篇のなかで病の床にある田中裕子がいやがうえにもダブってくるニクい演出。

クライマックスにはいくつかの木下名作がダイジェスト的というか“ニュー・シネマ・パラダイス的”に次々と登場する。そしてこの本篇「はじまりのみち」の中に後の名作のヒントになったであろう場面がいろいろと盛り込まれていたことに気がつく。たとえば木下が旅の途中で児童たちを率いる女の先生(宮崎あおい)を見かけ、それが名作「二十四の瞳」につながるとか。

意地の悪い見方をすれば、過去の遺産を所有する松竹が、DVD/ブルーレイBOXセットをセールス促進するために作ったプロモーション映画と言えなくもありません。過去の名作をクライマックスに引用するなんて噴飯もの、映画作品としてはどうなのかという評論家もいるだろうし。ただ、母と子の愛は至上のものだともあらためて教えられた作品でもあるのです。
9 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2013年06月>
日 月 火 水 木 金 土
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30