ちょうど一週間前の「出前DJ」の印象もまだまだナマナマしいところに、なんとあの岩波新書の一冊として最新刊が届きました。「ラジオのこちら側で」、著者とラジオそして音楽との関わりを、時代を追って彼の語り口調にてわかりやすく書かれてある素敵な一冊です。著者に関してすでに詳しいかたには、何をいまさら的な記述が多々あるかもしれませんが、いわゆる“バラカン基礎講座”的な側面もあり、一気に読んでしまいました。
時代順にディケイドごとの章立てになっており、各章の最後に著者の選ぶ年代ごとのベスト10曲が詳しい解説とともに載せてあります。先日のイベントでも会場に流れ、著者自身がそのエピソードを語った曲も選ばれており親しみを感じました。年を追うごとにいわゆるワールド・ミュージックの比率が高くなってくるのは興味深いですね。その他著者が選んだプロテストソング50曲のリストもあり、資料としても優れていると思います。
一番印象的だったのは、やはり9・11同時多発テロあるいは3・11東日本大震災という未曽有の大惨劇を目の当たりにして、著者自身が働きかけた、リスナーあるいは放送局側にたいする迅速かつ真摯なパフォーマンスの部分でしょうか。ただ台本通りにきめられた曲をきめられたしゃべりでこなしていくだけではないDJとしての矜持をそこに感じました。そう、帯のコピーにある“文章が知識だとするとラジオは情熱”ということが実によくわかる一冊でした。
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