☆洋ちゃんの読観聴 No. 1367
若竹七海 「不穏な眠り」
約1年前に、この著者の「錆びた滑車」が出版
され、僕は昨年の読観聴ベスト1に選んだ。
女性探偵・葉村晶シリーズの最新作だ。
前作は長編だったが、本作は短編集で、
4編が収められている。主人公の葉村晶は
ミステリー専門の古書店のバイト店員で、
同時に私立探偵でもある。本シリーズが
始まったときは20代だったが、今や40代。
いまだに独身である。
昔世話をした友人の娘が犯行をはたらき
刑務所から出所することになるが、その
子を自分のところに届けてほしいという
依頼の「水沫隠れの日々」。
知り合いから頼まれた”幽霊の出る”廃墟
ビルの警備をうけおったが、そこで警備会社
社員から失踪した警備員の調査を頼まれる
「新春のラビリンス」。
晶が勤める書店で<鉄道ミステリーフェア>が
開催されるが、そこで希少な時刻表が盗難に
あう「逃げ出した時刻表」。
相続で引き継いだ家に居座り、死んだ女の
知人を探してほしいという依頼の「不穏な眠り」。
4編どれもひねりがきいていて読み応えが
ある。
そして主人公の葉村晶のキャラがかわいい。
真面目でタフ、そして人がよい。40代半ばと
なっているが、いまだどこか乙女チック。
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