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2024年03月22日17:45

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「コール・ジェーン 彼女たちの秘密の電話」〜身体と心、痛みに耐えて

舞台は1960年代後半のシカゴ。心臓の病が悪化、中絶しなければ命の保障はないと言われた第2子妊娠中のジョイ(エリザベス・バンクス)。当時は法律で中絶が認められておらず、周りの医師すべてが手術を拒否。そんなときジョイの目に留まったのは中絶手術を施す女性だけの地下組織「ジェーン」の案内チラシだった…。

ジョイの置かれている立場そして時代背景をじっくり描いていく前半部分、そのハイライトは彼女自身への中絶措置シーン。あまりにも素朴な手術室にあまりにも若い男性医師(マッシュルームカット!)。目を背けるような場面はけっして出てこないにもかかわらず、緊迫感あふれる時間の経過のなか痛みを共有して息をのむ。

ジョイ自身が「ジェーン」の一員となって奮闘する後半部分はやや調子に乗りすぎの感があってリアリティを欠くが、当時1万2千件あまりの中絶を施行した実在の組織を基にした物語だというから恐れ入る。なかでもリーダーのバージニア(シガニー・ウィーバー)が随所で発する言葉のしたたかさ、毅然たるふるまいは実に魅力的だ。

ころあい良くバックに流れる音楽はけっして当時のものばかりではないけれど、あのころの空気を見事に運んでくる。女性たちの60‘sファッション競演も観ていて実に楽しい。気が強くややチャラけた女性ばかりをこれまで演じてきたエリザベス・バンクス、ここにきてようやくハマり役に巡り合ったと強く感じました。

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