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2018年01月31日07:48

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1253

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1253

ユッシ・エーズラ・オールソン 
「特捜部Q 自撮りする女たち」                    

デンマークのコペンハーゲンを舞台とする警察もの。
本シリーズもこれで7作目となった。

特捜部というのは、日本に人気TVドラマ「相棒」と
似ている。主流の捜査本部から外された捜査官の
チームで、主としてお蔵入りになった事件を扱う。

チームの構成はリーダーで警部補のカール・マーク。
出自がよくわからないアラブ人のアサド、少し精神が
おかしい女性のローセ、それに最近若手のゴードンが
加わった。

今回は複数の事件が絡み合っていて、少しばかり
複雑な様相だ。老婆が殺害されるが、その手口から
過去に殺された女性教師事件との関係が疑われる。 

その一方で、若い女性失業者の連続ひき逃げ殺人
事件が起こっている。

それだけでも大変なところに、チーム・メンバーの
ローセの心の病が悪化し、突然彼女は休暇をとる。

デンマークと言えば、教育費も医療費もかからないと
いう優良福祉国家というイメージがあるが、実態は
いろいろと問題があるようだ。本作品では、失業者の
ための福祉事務所(日本のハローワークのような
所)のスタッフが重要な役割を担っている。事務所に
訪れる失業者たちは働く意思を持たず生活費の
受取だけをあてにしていて、スタッフが頭を悩ませる。

スウェーデンやデンマークなどの北欧の国々では
素晴らしいミステリーや警察小説が次から次へと
出ている。僕が思うに、そのキーワードは、福祉、
移民、ドラッグといったところだ。小説に書かれている
ほど社会問題が悪化しているのかどうか分からないが、
テーマとして頻繁に取りあげられており、幸福一辺倒
ではないことを窺わせる。

かなりのヴォリュームの作品だが、ラストに近づいて
くると読み終わるのが惜しくなってくる。

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