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2014年11月26日16:18

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1022

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1022           

トニ・ヒル 「死んだ人形たちの季節」          

最近の翻訳ミステリーは、主流の英国と米国に
加え、ドイツや北欧発も増えているが、忘れて
ならないのがスペインだ。まだ作品が翻訳された
作家は多くないが、それぞれがなかなかの
出来栄え。

この作家は本作品がデビュー作。舞台はバルセロナで、
中年警部が主人公だ。彼とコンビを組む若い女性刑事と
中堅の女性刑事が、それぞれ個性があり、主人公との
共同作業や特徴のある個別捜査を行なう。

19歳の裕福な家庭の男の子が自宅で転落死をとげる。
事故か自殺か、はたまま殺人か? 死の直前まで
一緒に遊んでいた男の友人とガールフレンドを調べに
かかる捜査チーム。

死んだ少年の父と離婚した母、父の今の妻。それに
少年の友人の家族とガールフレンドの家族という3家庭の
それぞれ複雑な事情がからむ。

複雑と言えば、かつて主人公が暴行を加えた呪術師が
失踪し、こちらも謎が多い事件だ。

熱愛の国(?)のせいなのか、本作品では主人公を
はじめパートナーの刑事、事件の関係家族たちの
恋愛や情事が多い。さらに、いまどきの小説だから
フェースブックやUSBメモリーなどITも小道具として
登場する。

いろいろな要素がてんこ盛りで、小説を読む楽しさは
味わえるのだが、あまりにも多くのことを詰め込み
過ぎたのではないか、というのが僕の感想だ。 

とは言え終盤のツイストは読み応えがあり、ミステリー・
ファンを失望させることはない。

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