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2022年10月01日14:36

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1565

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1565     

大沢在昌 「新宿鮫XI 暗約領域」     

大沢在昌の出世作、「新宿鮫」シリーズの11作目。
新宿署の鮫島は一匹狼の辣腕刑事で、これまで
数々の事件を解決してきた。土地柄相手は暴力団や
アジア系外国人の組織である。扱う事件は殺人、
麻薬などで、回を追うごとに事件はスケールアップ
している。今回は、小さな殺人事件と思われた事案が
北朝鮮と繋がっており、公安ともかかわりがあり、
登場人物たちも複雑な利害関係の中で動いていく。

鮫島は鑑識係の協力で民泊の一室を監視していた。
シャブの取引現場と思われたが、その宿泊者が
射殺された。被害者は中国人と思われる。この
民泊の経営者は一応カタギだが元は暴力団員で
暴力団田島組の稼ぎ頭でもある。鮫島は民泊
経営者を支える組の幹部に接触する。

前回で鮫島は長年の上司を失ったが、新しい
上司は女性で、彼女は鮫島に若い相棒をつける。
ときにルールを無視した危ない行動をとる
鮫島と組むことで若い相棒の将来に傷がつく
ことを鮫島は懸念するが、上司は鮫島の単独
行動を許さない。

そもそも殺された男はなぜ殺されたのか? 
大きなビジネスに関わっていることは確かだ。
それに単なる殺人事件に公安が関わってくるのも
どこかおかしい。さらに銃殺は間違いなくプロの
技である。いったいどのような殺し屋で、どこからの
依頼なのか?

民泊で殺された男は中国人で、前回で登場し鮫島を
抹殺したい陸の片腕だった。陸は日本の
中国残留孤児二世三世の互助団体と関係が深く
裏のビジネスをしている。この団体は日本の暴力団
並みの組織。そこが北朝鮮とも繋がっている。

シリーズが始まったのが1990年、本作品は2017年
なので27年が経過している。この間に日本社会も
変わった。街の風景もそうだし、通信手段なども
進化している。

90年当時鮫島は30代半ばだったと思うが現在は
40代半ばの設定だ。本当ならとっくに定年のはず。
その不自然さは許そう。
 

 

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