☆洋ちゃんの読観聴 No. 1436
マイクル・コナリー 「汚名」
毎年1冊は紹介しているコナリー作品。それだけ
安定した質を保っている証左だろう。もちろん
僕個人の好みもあるわけだけれど。
前回紹介した作品は新シリーズだったが、
今回はおなじみのボッシュ刑事シリーズだ。
マンネリにならないことに感心するが、今回も
一工夫も二工夫もストーリー展開が練られて
いる。
ボッシュは2つの事件を追っかける。一つは
薬局屋の親子殺人事件で、これは違法な薬品
購入による麻薬組織が絡んでいることが分かって
くる。ボッシュは組織に潜入する。
もう一つは30年前の殺人事件の再審査で、
ボッシュが逮捕し刑務所にいる収監者の
弁護士があらたな事実が見つかったとして
無罪を主張している。さらに逮捕時に
ボッシュが重大な過失をしたと弁護士は
主張している。
元ロサンゼルス市警刑事のボッシュだが、
刑事の仕事に生きがいを感じ定年退職後も
近隣の小さな町で予備警察官として働いて
いる。年は取ったが、年をとったが故の
任務があり、そのあたりが本作品の味付け
にもなっている。
傑作である。
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