私の仕事について語ろう――私の仕事、それはアダルトな趣味嗜好を満たすためのものだ。
私は男して舞台に立つ。そしてスポットライトを浴び、一挙手一投足に衆目を集めながら男を演じきる。
「穴にぶち込むのが私の仕事だ」
穴と言うと語弊があるのかもしれないが、私にとっては所詮穴でしかない。私は穴にぶち込む、大勢の前で。
私の演技はビデオになり多くの――主に成人男性を楽しませる。
私のプレイに人々はただただ魅入る。
穴にぶち込む前に棒をシゴく。
何度も何度もこれからのプレイを滞りなく済ませるためにコンディションを確認する。
私は棒の先っちょを見つめ、指からそいつが顔を出したり引っ込めたりしているのを眺め、これから始まるエキサイティングなプレイを想像し思わず硬直する。
これからぶち込む予定の穴をしつこいくらい凝視する。品定めするように。
時は来た――私は穴めがけて棒を突き出す。プレイ開始だ。私だけではない。もう一人男がいる。交互に穴目掛けて突く、そのうち――
「おおお」
どよめきが起こる。
「あんな無理な体勢で入れる気なのか?」
ふふふ、驚くのも無理はない
私は穴を真上から見下し、棒を垂直におっ立てる。
「バックで入れてやるぜ!」
そして突く!
突く!
突く!
以上が私の仕事だ。
しかし最後の一突きは正直冷や汗物だった。
台の縁に半身を捻ってかろうじて腰掛け、垂直にキューを振り下ろし、バックスピンでなんとか9番を沈めた。
誤解されることも多いが、ハスラーとは意外に大変な仕事なのである。
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