mixiユーザー(id:11487068)

2018年06月05日07:50

123 view

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1273

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1273                   

玉木俊明 「人に話したくなる世界史」                  

ある海外旅行好きの友人から「昔から歴史に興味が
持てない。なので歴史的な建物や絵画を見ても
感動がわかない」と聞いたことがある。

不幸なことに、多くの日本人にとって歴史とは学校の
教科に過ぎず、試験をパスするための勉強でしかない
ようだ。確かに「1192年に源頼朝が鎌倉幕府を設立
した」とか「1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見
した」といった歴史のポイントを記憶するだけでは
面白くない。

僕が思うに、歴史の面白さとは「ストーリー」にあると
思う。早い話、歴史が小説ならば楽しく学べるはずだ。

著者は京都産業大学教授で、1964年生まれ。僕より
かなり若い。つまりセンスが新しい。彼によると、
本来の歴史家は「歴史的な事実に解釈を加える」。
つまり「事実を、生き生きと語らせる叙述なのです」と。

本書は新書230ページに満たないボリュームながら、
世界史における大きなテーマ13個を取り上げて、
解説している。古い時代から新しい時代へと順番に
取り上げている。最初はアレクサンドロス大王で、
ヴァイキング、大航海時代へと進み、最後は今の中国の
将来について触れている。

博識(?)の僕が既に知っていることも少なくないのだが、
おやっと思ったのは、数学者フェルマーの話。彼は
「フェルマーの最終定理」で有名だが、僕が知らなかった
のは彼がパスカルと交流があり、その中で「確率論」を
うちたてたこと。このことが近代的な保険ビジネスの
基礎となったとのこと。

また、世界を制する国家とは、モノをつくって売ることに
成功することではなく、手数料商売に長けた国であること。
これにもまったく同意する。

国家の仕組みやビジネスの変遷なども分かる仕組みで、
中味が濃い。そして、各テーマについてもっと知りたい
読者のために、各章の終わりに参考文献を付記する
親切さ。

勉強が苦手な人も手に取りやすい本。書店に並び
初めてまだ2週間、ほっかほっかの新書です。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年06月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

最近の日記