★洋ちゃんの読観聴　No. 1169

★洋ちゃんの読観聴　No. 1169　　　　　　　　　　　　　　　　

映画　「ジュリエッタ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

スペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル監督の最新作。　
一人の女性の生き様を20代から50代までを追う。

高校教師のジュリエッタは臨時教師として働く町へ
向かう列車の中で、漁師で既婚のショアンと運命的な
出会いをする。たちまち二人は恋に陥る。短期の
任務を終えたジュリエッタはショアンの家に向かうが、
彼の妻は２日前に亡くなっていた。やがて彼らは
結婚し娘アンティアを授かる。

ジュリエッタは幼い娘を連れて実家を訪ねる。父親は
元気だが母親は寝たきりだ。彼女の世話をする若い
女性を父親は雇うが、なんと彼女と父親は"できていた”。

ショアンにはジュリエッタと同じくらいの年齢の女友達
アバがいて、前妻が生きていたときからセックス・
フレンドだったようだ。ジュリエッタと結婚してからは
浮気はないと思っていたジュリエッタだったが、
どうやら夫とアバは続いたらしい。

そのことをショアンに問い詰めるジュリエッタに対し、
彼は漁に出ると言って家を飛び出す。だが、海は
次第に荒れ嵐となる。そして彼は帰らぬ人となる。

ショアンの死後、ハイティーンとなった娘のアンティアは
突然家を出る。八方手を尽くすジュリエッタだが
アンティアの行方が分からない。そんなある日、偶然
ジュリエッタはアンティアのかつての親友に出くわす。
アンティアにイタリアで会ったという・・・。

この作品のテーマは、夫婦や親子の愛と喪失であろう。
家族の絆は強いようでもろいことを示している。
それと同時に、人は自分以外の人間の行動に対して
どれだけ寛容でいられるかというテーマも突きつけ
られている。

いろいろな人生の節目で自分だったらどういう選択を
するだろうか、と考えさせられる作品だ。