牛乳まみれの雑巾を水道場で何度も洗う。 雑巾に恐る恐る鼻を近づける。「おえー」 何度洗っても臭い物は臭い。 きーんこーんかーんこーん バケツの縁に雑巾を掛ける。手の平を嗅ぐとほのかな雑巾の残り――後で誰かに嗅がせてやろう。小さな悪戯心
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【かねの編】 壺を擦ると福の神が出てきた。「お前の願いを3つ叶えてやろう」 男は言った。「金が欲しい」「承知した」 福の神が背中に背負った袋を開けると一枚の古銭が飛び出してきた。 男は古銭を拾いしげしげと眺めてから言った。「一枚?しかも古銭
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