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2025年12月06日18:26

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「タクトは踊る 風雲児・小澤征爾の生涯」

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小澤征爾はどうやって「世界のオザワ」となったかを、彼の生涯を追い、膨大な資料や多くの関係者へのインタビューを通してまとめた作品。

『N響事件』憧れのNHK交響楽団と何があったのか
『二つの恋』ピアニスト、モデルとの恋
『日本フィルの分裂』如何にして新日本フィル創立へ向かったのか
『ボストン交響楽団音楽監督』30年の長期政権
『サイトウ・キネン・オーケストラ』新たなライフワーク
『ウィーン歌劇場音楽監督』クラシック界最高のポストの一つに就任

N響と35年間も喧嘩していたのは、つまりプライドの高いN響楽団員が、才気あふれる生意気な若造を許せなかったからかとなんとなく思っていました。
が、この本によれば、小澤が夜中までお酒を飲んで遅刻しまくったなど、色々あったようです。その喧嘩の事情は複雑すぎてとても簡単にまとめることはできないし、真偽のほどはわかりませんが。

61年に御本人によって書かれた「ボクの音楽武者修行」、以前面白く読んだものですが、ここには、それはゴーストライターによって書かれたものだと明記してあります。
音楽之友社の担当編集者、中曽根松衛氏が
”弟の幹雄君が海外からの小澤君の手紙を保管していたから、直木賞のあまり売れていない作家をゴーストライターに立てた”と。
なーんだ…

三井財閥令嬢のピアニスト江戸京子と彼女の親の反対を押し切って結婚したものの、モデルの入江美樹と不倫の末、再婚。それでも父親の江戸英雄から、その後もずっと援助して貰ったというところ、オザワの「人たらし」の所以か。
今活躍している小澤正悦氏や征良さんは、美紀さんとのお子さんであったのね。

ボストン交響楽団音楽監督、ウィーン歌劇場音楽監督など輝かしい経歴のオザワですが、そこに至るまでの道のりは無論平坦ではなく、例えば80年にイタリア・オペラの総本山ミラノ・スカラ座でルチアーノ・パヴァロッティやエヴァ・マルトンら人気歌手と、プッチーニ「トスカ」で共演した際には、酷評されたのだそうです。
「トルナ!シーミャ!(帰れ!猿!)」とブーイングの嵐を浴びたと。

等々、あまりにもびっくりしたこと、分かりやすいゴシップばかリを取り上げましたが、500頁弱のこの本の殆どは、”世界のマエストロ・オザワ”の輝かしい業績で占められています。
彼の凄い所は、その才能、努力、そしてやはり多くの人を惹き付けたその性格なのだと。

この2週間で読んだ本
「トラジェクトリー」グレゴリー・ケズナジャット
「眩」朝井まかて
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」


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