もともとは、のんさんが運転士役の「新幹線大爆破」を見たくて、ネットフリックス契約をしたのだが・・
1カ月契約して見終ったら解約のつもりが、ちょうどそのタイミングで韓国在住の友人に、済州島が舞台の韓国ドラマ「おつかれさま」を勧められて視聴(なかなかのヒューマンドラマである)。そしたら契約2か月目に入り、せっかくなら別のドラマも見てみようとした中にあったのが「イカゲーム」。
これ、第1シリーズが2021年に配信されはじめた韓国ドラマである。
ちょうどコロナ禍時期でもあり、日本でも話題になっていた。それでわたしもおおまかなあらすじは知っていたのだが、この機に視聴することに。1,2のシリーズがあり、最終シリーズの3が6月27日に配信開始とのことなので、これなら一気に見られる。
しかしながら、内容はかなりダークで、16歳の視聴制限があるけれど、20歳ぐらいに上げたほうがいいんじゃないのか、というお話だった。
多額の借金を抱え、どうしようもなくなったギフン(イ・ジョンジェ)。
ある日、地下鉄の駅で、エリート風のスカウトマン(コン・ユ)に、「メンコ勝負」を持ち掛けられ、「借金を返せるゲームがある」と誘われる。
ギフンが集合場所でクルマに乗ると、催眠ガスで眠らされ、着いたのは絶海の孤島。
そこには456人の参加者がいて、通し番号が付いた緑色のジャージを皆着用。
6種類のゲームをやって、一人脱落するごとに1億ウォンの賞金が積み立てられる。
ところがゲームというのは恐怖のサバイバル。
まずは、日本で言う所の「だるまさんがころんだ」。
巨大な女の子の人形がくるりと振り向いて、動いた参加者は脱落・・というか射殺されるのだ。
彼らが参加したのは、死ぬか生きるかのデスゲーム。
あまりの壮絶さに、いったんは参加者投票で中止となり「外の世界」に戻るものの、みな借金で首が回らない。けっきょく、またその恐怖のデスゲームに一縷の望みをかけて再参加せざるをえない。
案の定「脱落者が増えれば賞金が増える」ことに気付いた連中が、夜間、弱そうな参加者を狙って襲撃し、殺し合いが発生。
とにかく、理不尽に、むごたらしく人がどんどん殺されていくお話なのである。
ギフンは残酷なデスゲームを勝ち抜き、最終ゲームへ。そこにいたのは、幼なじみで秀才だったサンウ(パク・ヘス)。
サンウはソウル大学まで出て金融界にいたが、デリバティブ取引で多額の負債を出して逃亡中だった。
仲の良かった幼なじみと殺し合いをする非情な運命。
生き残ったギフンは455億ウォンを手にするが、心は晴れず、ついにそのお金を使って「地下鉄のスカウトマン」を必死に探し出す。
シーズン2は、ギフンが、この恐ろしいゲームをやめさせるために、スカウトマンを探し出し、ふたたび島に潜入して、またデスゲームにかかわっていく。
シーズン1から登場しているジュノ刑事(ウィ・ハジュン)は、行方不明になった兄が、秘密の組織にかかわっているのではないかと、島に潜入。ピンクガードと呼ばれる、島でのゲーム参加者を監視、時には殺害する兵士に成りすます。
ゲームを取り仕切るフロントマン(イ・ビョンホン)と対決するが、仮面を脱いだフロントマンこそ、なんとジュノの兄だった。
崖から転落したジュノは、海でパク船長(オ・ダルス)に助けられ命拾いするが、なんとかしてあの島はどこなのかつきとめようと躍起になる。
ふたたびのデスゲーム。
その過程でギフンは、トランスジェンダーで手術費用をかせぎたいヒョンジュ(パク・ソンフン)、妊婦のジュニ(チョ・ユリ)、借金苦のヨンシク(ヤン・ドングン)、その母親で息子の借金返済のために参加したクムジャ(カン・エシム)、仮想通貨で多大な負債を背負ったミョンギ(イム・シワン)らと出会う。ジュニはミョンギの元恋人で、ミョンギはお腹の子の父親だった。
ギフンは隙をついて反乱を起こし、ピンクガードらに立ち向かうが、制圧されてしまう。
そして、ゲームに参加していた「001番」のヨンイル(イ・ビョンホン)が、実はゲーム主宰者側の人間だと知って衝撃を受ける。
デスゲームの様子は「VIP」と呼ばれる、海外の富豪らしい連中が平然と見学。
生き残りそうな参加者に賭け金を出している。
反乱が失敗に終わり、引き続きデスゲームは続行。魂が抜けたようになったギフンだったが、生き残った参加者は多数決でもまだ続けたい者が多数。
27日から配信のお話はここからはじまり、ふたたび、失敗したら即、死が待っているという残酷ゲームが始まった。
ピンクガードの兵士の一人、ノウル(パク・ギュヨン)は、北朝鮮の女性軍人だったが、上司に発砲し、1歳の娘を残し脱北。韓国の遊園地で着ぐるみのバイトをしていたが、娘の救出のためブローカーに多額の金を払わねばならず、島に渡る。
瀕死のゲーム参加者は手術室に運ばれ、移植用に内臓を取り出されていた。
ノウルは手術室に運ばれた男が、遊園地で似顔絵描きをしている画家で、小児がんの娘がいるギョンソク(イ・ジヌク)であると知っていたため、彼を助けるため、他の警備のピンクガードを射殺。
ゲームの途中でジュニは出産。
ギフンはなんとか赤ん坊を守ろうとする。
細い橋の上での大縄跳びゲームがはじまった。縄にひっかかって落ちれば、奈落の底へ落下する死が待っている。
ギフンはジュニに「赤ん坊は必ず守る」と言い置いて、決死の覚悟で大縄跳びをくぐりぬけ、対岸へたどり着いたが・・
シーズン1からシーズン3まで、ほぼ一気見してしまった。たしかに面白い。
日本のマンガのパクリでは? という意見もあったが、この手の「デスゲーム」の話は昔からあるし、富豪が456人のサバイバルゲームを、笑いながら見ているシーンなど、胸クソ悪さMAXなのだが、あれってローマ帝国で貴族たちが、奴隷の殺し合いを見物していた、という話を思い出す。
借財のために、命をかけざるを得ない、という時点ですでに物悲しい。
そして生き残りをかけて、他人を蹴落としてまで姑息な手段を使ってでもゲームに勝とうとする者、残酷な状況でも、妊婦のジュリや高齢のクムジャをいたわろうとするヒョンジュなど、人間の醜悪さと崇高さを同時に描き出している。
個々人のキャラクターや人生の背景がよく作りこまれ、先の読めない脚本がたくみだ。
ただ、「フロントマン」の真意が結局分からず、ふたたびの兄弟対決がなかったのが残念。
最終ゲームで生き残るのは意外な人物だった。
しかし、さいしょの配信で、「フロントマン」の正体がイ・ビョンホンだとわかったときの視聴者の驚きは相当だったろうなあ。
わたしはもうすでに話題になった相当後で見たわけで、キャスティングも知ってしまっていたが、知らずに韓国の大物俳優が重要な役として登場するのを見たら・・(;´∀`)
一番泣けたのはシーズン1の第4話「カンブ」。
脱北して幼い弟と暮らすセビョク(カン・ホヨン)がジヨン(イ・ユミ)と対決することになり、お互いの身の上話をする。
ジヨンは実父から性的暴行を受け、彼を殺害。刑務所を出所したばかりだが、生きる希望を持てず、弟のために生きたいというセビョクの為、わざと負けて勝ちを譲り、射殺されてしまう。
主人公ギフンを演じたイ・ジョンジェは、どちらかというと知的でスマートな役柄のイメージだったのに、今回は借金苦で妻にも娘にも見放されるダメ男。
そして死のゲームの参加で、彼のキャラクターも次第に変わっていく。
しかし、もともとは「新幹線大爆破」見たら、ネットフリックス解約するつもりだったのに、せっかくだからこっちも見てみよう・・となって、ネトフリの思うつぼやんか!( ;∀;)
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