ムヨン高校に非正規雇用の倫理講師として赴任してきたソ・シミン(シン・ヘソン)。
先輩の教師ジェギョン(チャ・チョンファ)からは、「正規採用されたければ、おとなしくして、コトを起こさないようにね」と申し渡される。そして言われたのだ。「悪事を見ても知らんぷりをすること」。
ムヨン高校は、「いじめゼロの優秀校」として表彰されていたが、実はその正反対で、ハン・スガン(イ・ジュニョン)という生徒が高校を意のままに仕切る、「悪の学園」だった。
スガンは、親が理事、弁護士をしているので幅を利かせ、生徒たちも教師たちも逆らえない。
スガンは面白半分に、ターゲットにした生徒をいたぶり、今はジニョン(パク・ジョンウ)が毎日のようにいじめられ、激しい暴力にさらされていた。
祖母と二人暮らしのジニョンは、「逆らえば、おまえのばあさんに危害を加える」と脅され、ひたすら我慢するしかなかったが、生きていくことさえつらくなっていた。
シミンはしかし、いじめの現場を目撃してしまう。
正規雇用のためには、見て見ぬ振りも仕方ない・・と自分に言い聞かせるものの、こんなひどい暴力や不正義が許されていいものなのか!?
苦悩した末、シミンは、「猫の仮面」をかぶって、自分が誰だかわからないようにして、スガンのイジメの現場に乗り込んで、彼を徹底的にボコボコにする。
実はシミンは、オリンピック代表も期待されていた、元女子ボクシングの女王。
さらにテコンドーの心得もある、格闘系女子だったのだ。
一見、「ゆるふわ」の女の子にしか見えないシミンの正体を誰も知らない。
しかし、ジニョンが、あまりの理不尽なイジメと暴力に耐えかねて、スガンを殺そうと刃物を持ち出した現場に駆け付けたシミン。
そのときケガをしたことがきっかけで、スガンは、シミンが「猫仮面」だと知ることに。
スガンは、学園祭でシミンと格闘マッチをやろうと言い出す。
やむを得ず、猫の仮面をしてリングに上がったシミン。
しかし、悪魔のようなスガンの支配におびえ切っていた生徒たちが、めいめい、猫の仮面をかぶって、その正体を知らぬまま、仮面のシミンを応援し始めていた。
ストーリーは、まるでマンガだなあ、と思ったら、やっぱり原作は韓国のWEB漫画。
典型的な勧善懲悪ものだが、不正義や不平等が問題視される社会で、せめてフィクションの中ではスカッとしたい、という思いがあるのでしょう。
暴力シーンがかなりハードなので、不愉快な場面も多いが、正義の味方が「猫仮面」というのが意表を突きます。
(1月23日、KBCシネマ)
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