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2025年01月22日15:13

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映画「サンセット・サンライズ」

東北の小さな漁村。百香<ももか>(井上真央)は、町役場に勤務して、増えた空き家の活用担当を任された。
百香が以前住んでいた家も、誰もいない空き家になってるのだ。
それでネット上に「4LDK、家賃月6万円」と募集をかけた所、即座にレスポンスが。

空き家に飛びついたのは東京で働く晋作(菅田将暉)。彼は無類の釣り好きなので、格安家賃で住め、なおかつ豊富な魚を思う分釣れるなんて! とすぐにやってくる。

しかし時あたかもコロナが蔓延し始めた2020年。
百香は、「東京から来たんでしょ! 2週間は家から出ないでください! 食料はこちらから届けます!」と厳命。

しかし晋作はじっとなどしていられない。「人間と接触しちゃダメだけど、おさかな相手だといいでしょ?」とこっそり岸壁で釣りを・・
さらに百香から届けられる海の幸が新鮮で生きたタコも。

晋作は、オンライン会議で東京本社の社員たちに鮮魚を見せ、うらやましがられる。さらにオンライン画面には社長(小日向文世)までが登場。

なんとか2週間は明けたが、突如、過疎の自治体に現れたヨソ者である晋作を、みな警戒。居酒屋の店主と常連の男たちは「ももちゃんの幸せを祈る会」のメンバーで、彼女の住んでいた家に引っ越してきた晋作が気に入らない。
いろんなウワサが流れ、彼らは「ももちゃんのFA宣言なのか!?」とざわつく。

晋作は隣家のおばあさん茂子(白川和子)と親しくなるが、茂子はパチンコ店で「エヴァンゲリオン」を打っている最中に昏倒。救急車で運ばれたが亡くなってしまった。

茂子の子どもたちは遠方に住んでおり、息子(松尾貴史)も当初は空き家になった家の家具はみな処分していい、と言っていたものの、子どもの頃の思い出が詰まった箪笥や器に胸が詰まって来る。

たまに仕事で東京に帰るものの、テレワークしながらの三陸の海の生活、そして気が強くて、何かと面倒をみてくれる百香に惹かれていく晋作。

あんなにきれいなひとなのに、百香はどうして独身なのか?自分が今住む広大な家はどうして空き家になったのか?

百香は章男(中村雅俊)といっしょに暮らしていた。
仲が良く、晋作はてっきり、親子だとばかり思っていた。
しかしある日、彼らは「舅」と「嫁」であり、2011年の震災の津波で、百香の夫(それは章男の息子)や子供、そして章男の妻が犠牲になったという衝撃の事実を晋作は知る。
百香の悲しみは、まだ癒えていなかったのだ。
だから、かつて住んでいたあの家をあとにし、夫の実家に住んでいたのだった。

周囲に気兼ねしながら生きる百香に晋作は、「人のことなんかどうでもいい! 自分のことだけ考えようよ!」と叫ぶのだった。


原作は楡周平、脚本は宮藤官九郎。
笑える小ネタがちりばめられた、あいかわらずのクドカンワールドは健在。
そしてもう我々がすっかり忘れてしまっている、新型コロナ初期の混乱ぶりを改めて思い出させてくれる。
今でこそ、コロナは5類になり、罹患した人も普通にいるが、当時はコロナ感染しただけで罪人扱いだった。地方では首都圏から来た、というだけで煙たがられた。
クドカンもたしかコロナ蔓延初期に感染し、いろいろ誹謗中傷を受けたのではないかと思われる(TVドラマ「新宿野戦病院」も、未知の感染症に対応する医者たちの話が描かれていた)。

それにしても画面に登場する海産物のまあ、おいしそうなこと! 東北の郷土料理が次々に出てくる。
ヒロイン百香役の井上真央はさいしょわたしは分からなくて・・(;´∀`)
あれ?いとうまい子? 違うよな、彼女還暦近かったはずだし・・と思ったり。
百香の職場の同僚・ひとみ役は池脇千鶴だったが、これもわからなかった。役作りで太ったのか??

茂子が住んでた家は、リノベーションして、古いタンスもきれいに磨いて再生。
まるで「劇的!ビフォア・アフター」みたいだった。

笑わせて、ホロリと泣かせる、東北応援の映画。
晋作と、百香が「婚姻関係」にこだわらない生き方を選択するのも当世風か。
出演はほかに、ビートきよし、竹原ピストル。
(1月17日、T・ジョイ博多)


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