井之頭五郎(松重豊)は、パリへ出張。機内食のサービスで焼き鳥にするかビーフシチューにするか迷って、あとで注文しようとしたら乱気流で揺れ、サービスが一時中止。そのあと五郎は爆睡してしまい、気づいたら2食分の機内食が終わっていた。
そして再度注文しようにも、飛行機は離陸体制。
結局空腹を抱えてパリの地に降り立つ。
「腹が・・減った!」
そんな五郎がたまたま見つけたお店に入ってみると、そのレストランが大当たり。ビーフシチューの借りを返すような牛肉の煮込み料理、そしてオニオンスープの美味なこと!
仕事はパリ在住の千秋(杏)のところに、彼の祖父(塩見三省)が所望した絵画を届けることだった。だが、祖父はもうひとつ、生まれ育った、長崎・五島列島で子どもの頃つくってもらった「いっちゃん汁」をもう一度飲みたい、という。
出汁は昆布、しいたけ、そして海産物・・らしい。
五郎は東京へ帰国後、「幻のいっちゃん汁」の材料を求めて、滝山(村田雄浩)にも相談し、五島の離島へ。
その島の「みかんや」という食堂でちゃんぽんを食すのだが、そのうまさにうっとり・・
聞き込みをし、「いっちゃん汁」の食材が、どうやら福江島で売ってるらしいと聞いて、フェリー乗り場へ向かうものの、船はすでに出た後。
五郎は無謀にもSUP(スタンドアップパドル)で福江島に渡ろうとするのだが、嵐に遭遇して遭難。
流れ着いたのは小さな島。浜辺に、打ち捨てられたキャンプ道具が遺されており、カセットコンロも使えるので、五郎は海辺で撮った貝や、近くにあったキノコを煮込んで即席のなべ料理で一息。
うまい・・と思ったのもつかの間、どうやら毒キノコだったらしくその場で昏倒。
五郎は韓国南部の離島に漂着していたのだ。そして島に住む志穂(内田有紀)らに助けられる。
東京でラーメン店を夫婦で営んでいた志穂は、コロナ禍で客が減り、夫婦間もぎくしゃくした挙句、自然の食品の研究所のある、この島に来ていたのだった。
五郎は「不法入国」扱いだったので、いったん「クジョラ」と言う港町に送られ、手続きをすることに。入国審査官がなかなか来ないので、五郎は波止場そばの食堂に入って定食を注文してしまうのだが、おかずがどれもめっぽううまい。
やってきた審査官(ユ・ジェミョン)は、職務中のため、横目でごちそうを眺めるだけだった。
東京に戻った五郎は、志穂の別居中の夫(オダギリジョー)が経営するラーメン屋をたずねてみる。しかしその頑固な店主は、ラーメンはもうつくらない、という。
五郎は、五島の幻のスープの食材も提供し、またラーメンを作ってくれるよう、常連客でTV局のディレクターの中川(磯村勇斗)とともに頭を下げるのだが・・
わたし実は、原作のマンガも、ドラマ版の「孤独のグルメ」も読んでも見てもいないのだが、ずっと評判になっていたので「おっさんがひとり、飲食店に入って、『こころのうちの食レポ』をする」という物語なのは知っていた。
今回は、松重豊が「主演、脚本、監督」の映画ということで、博多華丸が「ジャッキー・チェンみたいですね」と言っていた劇場版映画。
「腹が・・減った!」と情けない顔をする五郎のアップ、きちんと「いただきます」「ごちそうさま」と言う、食事作法、心のうちでおいしさを言葉にせずにいられないおいしさ。そして見ながら、こちらもお腹が空いてくる。
映画上映終了がちょうどお昼時だったし。
松重豊の食材探しの奮闘ぶりと、改めて、「おいしいものは人を幸せにするんだなあ」ということを実感。
韓国編に登場する、ユ・ジェミョンも、出演作を10本以上見ていますが、「ユンヒへ」の、ヒロインのやさしい元夫役がいいですね。
映画を見終わった後、いきつけのラーメン屋さんに行ったんですがなんと臨時休業、仕方なくビルの上の階にある居酒屋さんがやっているランチを食べました。
(1月15日、イオンシネマ大野城)
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