シングルマザーのドッキ(ラ・ミラン)は経営するクリーニング店が火事で焼け、困窮。
しかたなく、今は洗濯物を扱う工場で働くが、幼い子どもを託児所に預けるお金もなく、子どもと共に工場のロッカー室で寝起きする日々。
そんな彼女に大手銀行の「ソン代理」を名乗る男から融資の電話が。
しかし、大口融資をするには、手付金がいるという。
藁にもすがる思いで、ドッキは言われるままに振り込むが、それはすべて詐欺だった。
銀行に押しかけるが、彼女に電話した「ソン代理」はいない。
全財産を失い、悲嘆にくれるドッキだったが、突然、彼女のスマホにまた「ソン代理」から電話が。
それはソン代理を名乗っていたジェミン(コン・ミョン)。
彼は中国・青島でだまされて振り込め詐欺グループに監禁され、リストを見ながら詐欺電話をかけさせられていた。良心の呵責がわき、また一刻もここから抜け出したくて、ジェミンはドッキに「警察に通報してくれ!」と懇願。そしてアルファベットの羅列を伝える。
そのアルファベットがなにかわからなかったが、ドッキは、キーボードに対応するハングル文字だと気づく。それをたどると、中国・青島の店の名前らしかった。
しかし警察署に駆け込んで訴えてもパク刑事(パク・ピョンウン)らは、ほかの事件の対応に忙殺され、まともに取り合ってくれない。犯人のアジトがはっきりわからなければ、捕まえようがない、と言うのだ。
ドッキと職場で仲のいいポンニム(ヨム・ヘラン)は、妹(アン・ウンジン)が中国・青島に住んでいて、中国語が出来る。ドッキはこうなったら、金曜に有休を取り、週末の2泊3日で青島に乗り込んで、「ソン代理」がいるアジトを見つけよう!と意気を上げ、ポンニムに加え、同僚のスクチャ(チュン・ユンジャ)までが「わたしも行くわ!」と加わることに。
「ソン代理」が伝えた店は、市内に72店も同名のものがあって、とても探しきれない。
一方、ジェミンは、幹部に取り入って別部署に移り、グループの店内の様子や、詐欺電話をかけるリスト数百枚をスマホで写真に撮り、ドッキが訴えた警察署にFAXで送信することに成功。
中国語が喋れるポンニムやその妹の力を借り、とうとう、ジェミンのいるアジトのビルをつきとめた三人の女たち。
しかし、グループ上層部は、下っ端の詐欺電話実行グループを見殺しにし、自分たちだけは高飛びしようとしていた。
一方、韓国のパク刑事は、大量のFAXを前に、中国出張を申し出、ドッキと連絡を取り合う。
しかし、グループ元締め(イ・ムセン)は空港へ。彼を見つけたドッキはおびえながらも立ち向かおうとするのだったが・・
韓国で2016年に実際に起きた事件がベースになっている。
日本同様、韓国でもこの手の詐欺事件が多いんだなー、と実感。
おばさんたちのパワーで悪人を成敗しようとするのが、この映画の面白いところ。
だいたい、元締めって、自分の手を汚さずに犯罪を広げるんだよね。
そして国外に、詐欺電話のアジトがあるのも、日本と同様。
ラ・ミラン演じるドッキは行動力はあるけれど、それは無茶でしょう! という場面が多いが、彼女をサポートするヨム・ヘランの頑張りぶりもなかなか。
ヨム・ヘランって美人じゃない女優さんだけど(失礼)、けっこう映画の脇役で出ていて、フィルモグラフィーを見たら、彼女の出演作を15本も見てました。
みなさん、おカネにまつわる電話がかかってきたら、「すべて詐欺」ですよ〜!!
(12月25日、KBCシネマ)
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