ミンサン(ユ・ヘジン)は、住まいのビルのオーナーでもあり、不動産ディベロッパーにも勤務。ビル1階には動物病院がテナントして入っているが、ビル周辺で犬のフンがよく落ちているので我慢ならず、動物病院「DOG DAYS」の女性院長ジニョン(キム・ソヒョン)に、「このままなら契約更新せずに出て行ってほしい!」と怒鳴り込む。
ジニョンは、いわゆる捨て犬や、保健所からの犬たちを引き取って院内で飼い「保護犬活動」もやっていた。
ジヌ(タン・ジュンサン)は、配達員のバイトで生計を立ててている。あるときお弁当デリバリーを届けに行った先は大豪邸。
しかしそこに住んでいるのはミンソ(ユン・ヨジョン)と愛犬のワンダだけ。
ミンソは世界的な名声のある女性建築家。
ワンダを連れて「DOG DAYS」に来たのを見たミンサンは色めき立つ。
というのもリゾート開発のプレゼンが難航し、ミンソから何かヒントがほしかった。
ある日、散歩中にミンソは倒れてしまう。たまたまデリバリーの仕事中にそれを発見したジヌは救急車を呼び、ミンソは命拾い。
だが、パグ犬のワンダはその騒動に驚き、走り出していなくなった。
悲嘆にくれるミンソだったが、ジヌもしぶしぶ協力して、街のあちこちに「犬をさがしています」の貼り紙を貼って回った。
ヒョン(イ・ヒョヌ)はバンドのリーダー。恋人のスジョンがアフリカにボランティアに出かけてしまい、彼女の飼っていた大型犬・スティングの世話にとまどう毎日。
ところがスジョンの元カレのダニエル(ダニエル・ヘニー)が、「スティングと月1回面会したい」とやってくるのだった。
ジョンア(キム・ユンジン)と、ソニョン(チョン・ソンファ)の夫婦は、不妊治療しても子どもが出来ず、施設からジユ(ユン・チェナ)を養女として迎える。
だが、なかなかジユは心を開かず、ご飯もあまり食べない。
のちに同じ施設にいた子が養子先で「ご飯をたくさん食べ過ぎる」と施設に戻されたから、とジユから聞かされ、夫婦は心を痛める。
そんなとき、家の庭先にいた迷い犬のパグ犬。
ジユがそれを見つけて飼いだすと、ジユは可愛がって生き生きとした表情になり、ジョンアを「お母さん」と呼ぶようになった。犬には「サラン(日本語で、愛)」と名付けた。
「犬嫌い」のミンサンに、ジニョンは、犬の安楽死の現状を見せ、動物と言えど、命を預かることの大切さを知ってもらおうとするのだ。
ミンサンは、実は子ども時代、雑種犬を飼って可愛がっていたことを思い出す。
その愛犬が亡くなり、あまりに悲しくて、もう犬は飼いたくない、と思ったのだった。
ソニョンは電柱の貼り紙で、家にいるサランが、迷い犬の「ワンダ」なのでは、と思う。
しかし、せっかくジユが「サラン」を大事にして家族もうまくいってる矢先なのに・・
夫婦は悩みだす。
ミンサンは、ジニョンから聞いた「いま韓国では1300万頭の犬が飼われている」事実をもとに、愛犬もいっしょに泊れてリラックスできる、宿泊施設をプレゼンで提案。
それは受け入れられ、ミンサンとジニョンの距離も縮まっていく。
クリスマスに、動物病院の前で「保護犬譲渡会」が計画され、イベント設置ならお手の物、とミンサンは設計図から買って出る。
元の飼い主のことを考え、「サラン」をミンソのもとに返した一家。
しかしミンソは狭心症の手術を受ける予定が入っていた。
そして「入院中だけでなく、これからずっとワンダを可愛がってあげてほしい」とジユに告げる。
ソニョンはいまは音楽プロデューサーだが、かつてはヒョンとバンドを組んでベースを弾いてた。
ヒョンは「譲渡会のイベント」での出し物で、ソニョンと組んで久しぶりに歌を歌うのだった。
犬を巡る、いくつものストーリーが展開し、まったく別の人生が交差、そしてあたたかい気持ちになれる、ハートフルストーリー。
これ、犬好きの人にはうってつけの映画かもしれませんね。
犬たちの縁で、登場人物たちがじょじょにつながっていく脚本がうまいと思う。
チョン・ソンファは、日本の俳優で言えば青木崇高に似てるかなあ。
しかしながら、日本同様、「少子化」の一方で、飼育ペット頭数は韓国も増大してるんですね。
(11月13日、KBCシネマ)
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