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2024年10月07日16:09

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映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」

近未来のアメリカ。
連邦政府から19の州が離脱、テキサスとカリフォルニアからなる「西部軍」が、政府軍との内戦に突入し、アメリカ各地で武力衝突が起こっていた。
独裁的な大統領は「3期目」に入り、「勝利は近い」と演説するのだが、ワシントンD.C.に西部軍は迫ろうとしていた。

ずっとマスコミに応じていない大統領のインタビューを取ろうと、フォトジャーナリストのリー・スミス(キルステン・ダンスト)は、ジョエル(ワグネル・モウラ)と、クルマを調達してワシントンD.C.に向かおうとするが、取材の前線基地にしているホテルで、リーは、彼女に憧れるジェシー(ケイリー・スピーニー)に声をかけられる。

そして出発しようとすると、大型バンにはジェシーと、老ジャーナリストのサミー(スティーブン・マンキンリー・ヘンダーソン)も乗り込んできた。

まだ若い女性であるジェシーを同乗させることに、リーは反対だったが、結局はジェシーの熱意に負ける。
四人とも「PRESS」の腕章をし、クルマにもそう記してあるものの、千キロもの長い道中、危険だらけであることは間違いない。

さっそく、クルマが大量に放置された、暴動のあとに出くわす。

ジェシーは昔ながらの手動巻き上げのニコンのフィルムカメラを使っていた。
現像も自分で仕上げてしまう。

ガソリンスタンドでは、若い男が、ふたりの血まみれの男性を吊り下げてリンチ。
その壮絶な場面も、リーやジェシーはカメラに写し取る。

内戦の最中なのに、ある町を通りかかると、うそのように平穏で、ショップも営業中。
ジェシーとリーは、おしゃれなワンピースを見つける。
店員は普段通りに彼女たちに対応。戦争はやってるけど、それがなんなの?という感じだ。

クルマを飛ばす途中で、ジョエルの旧知のジャーナリスト、トニーとボハイの乗った車をみつけ、合流。
ところがその後、所属不明の、赤いサングラスをした不気味な兵士(ジェシー・プレモンス)の尋問を受けることに。そこには深い穴が掘られ、大量の死体が埋まっていた。
「お前たちはどういうアメリカ人か?」と彼は訊く。
出身の州を答えたリー、ジョエル、ジェシーに彼は「アメリカ的だな」と言うが、震えながらボバイが「香港」と答えたところ、兵士は「中国人か!」と即座に射殺。

そこへひとりライトバンに残っていたサミーがクルマを飛ばして駆けつけ、兵士らをなぎ倒して、なんとかリーたちを救出するものの、銃撃戦の際に、サミーは深手を負っていて、死亡。
ようやく西部軍の前線基地に到着し、政府軍はわざかな勢力しか残っておらず、これから総攻撃を知らされたリーたちは、ホワイトハウスへ向かうのだった。


現在のアメリカの民主党と共和党の対立を「内戦状態だ」と評している人もいる。
それだけに、来月の大統領選挙を前に、なんとまあタイムリーな映画だ、と思ってしまう。
ただ、ジャーナリストを主人公にしているので、戦争モノというより「ワシントンD.C.を目指すロードムービー」だ。
その過程で、怖い思いをし、いろんな人物に出会って、市街戦を潜り抜け、必死でカメラを向ける。

戦場カメラマンってたしかにいるけど、ほんとにああいう接近戦の戦闘部隊にまで付いて行けるものなのか、と思ってしまった。
この映画、ビジュアル以上に「音」がやたらリアルで、銃撃、爆撃の耳をつんざく音がたたみかけるように続いていくと、たしかに「戦場のリアル」がスクリーンから迫って来る。もちろん、実際のガザやウクライナはこんなもんじゃないだろうが、「もう、いい加減やめてくれ、終わらせてくれ!」そういう気持ちが見ながら沸いてきてしまう。

ラストシーンでは哀れな大統領の末路が描かれるが、そこまで悲惨に思えないのは、自分がリアルタイムで、フィリピンからハワイに逃亡するマルコスとか、国民に処刑されたチャウシェスクとか(あの当時、遺体の写真が一般紙の1面に載っていた。いまのコンプラだとアウトだな)、反体制派に殺されたカダフィとかを知っているからかだろうか。
独裁者の最期は往々にして滑稽である。
さて、将来、アメリカで「シビル・ウォー」が起きる可能性はあるのか。
二大政党というのはこういうときやっかいだなあ、と思う。
(10月4日、T・ジョイ博多)
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