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2024年05月13日09:30

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滝川一廣著「「こころ」の本質とは何か」を読んで



照る日曇る日 第2045回

著者によれば、自閉症は、さまざまな発達障害のひとつである。

ふつう幼児の精神は、「関係(社会性)の発達」と「認識(理解)の発達」の両方が、手を携えながら発達していくが、そんなふつうの子供に比べて、自閉症児は上記の二つ、なかんずく前者の発達に遅れがある。

しかし近年、関係性、社会性の発達の遅れがありつつ、ふつうの発達障害児者よりも認識(理解)の発達が著しい発達障害児者が増加してきたので、これを「アスペルガー症候群」と呼ぶようになった。

著者のように正常発達と発達障害を峻別せずに、その連続性においてとらえると、従来てんでばらばらだった障害の全体像がほのかに見えてくるような気がする。

また著者は、私らが半世紀かけて打ち立てたラターの「自閉症=脳の器質不全説」を再び否定して、元祖カナーの「自閉症=自閉的説」に立ち戻っているようだが、だからというて自閉症児者への効果的な処方箋を持ち合わせているとも思えない。

内外の精神科医や研究者が、自閉症についてあれやこれやの言説を公表するのは、それがえげつない金儲けの手段でない限り結構だが、半世紀が経ってその定説が逆転したり、空転したりする光景を遠望していると、50歳になる自閉症児を持つ親としては、いい加減にしてくれよ、といいたくもなるのである。

   なにゆえに半世紀前に逆戻る「自閉的が自閉症」とは 蝶人

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