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2024年03月26日15:42

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1662

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1662        

長浦京 「アンダードッグス」         

この作家の小説を読むのは初めて。いわゆる冒険
小説の類である。

省内のスキャンダルにより農水省をやめた古賀が
主人公で、香港を舞台とする。ときは1997年で、
香港の返却間際である。章が交互にはさまれるが、
もう一つは古賀の義理の娘が登場し、こちらは
1997年から20年後の話で、彼女が古賀の足跡を
たどる。

古賀は香港在住のイタリア人大富豪からの依頼に
より、秘密文書を奪還することになる。多国籍の
メンバーと共にチームを組む。この文書をめぐって
英国、ロシア、米国がそれぞれ狙い、古賀チーム
と競う。バイオレンス・シーンが多く、手に汗を
握る展開となる。

古賀のチームには二重スパイがいて、古賀らは
それぞれ疑心暗鬼の中で行動を共にする。香港の
警察の中にも味方もいれば敵もいる。また、
古賀らは英国とロシアとも一定の協力関係も
一時的に持つ。

それぞれのチームの関係が時々変わり、めまぐる
しい。そして、古賀の義理の娘が、20年後に
香港を訪れ、かつて古賀と行動を共にした人たち
と会い、古賀らの活動の真相に迫る。

直木賞候補にも上った作品で、翻訳小説のような
骨太感がある。

古賀の行動の動機については一定程度僕は理解
するものの、本人の命がけの行動リスクに関しては
僕はイマイチ理解に苦しむ。

とは言え、アクション・シーンが多く、この手の
ストーリーが好きな人にとっては満足できる
作品なのではないか。

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