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2023年12月19日17:00

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1645

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1645       

逢坂冬馬 「歌われなかった海賊へ」

評判を呼んだ前作「同志少女よ、敵を撃て」に
続く第二次世界大戦のお話。今回はナチス体制下の
ドイツが舞台で、ドイツ国内でナチスに対しNOを
叫ぶ若者集団「エーデルヴァイス海賊団」の活躍を
描く。

エーデルヴァイス海賊団は、一つの統一した組織
ではない。各地に同じ名前を名乗って行動している
ものの、それぞれ連絡を取り合っているわけでも
なく、また確固たる理念があるわけでもない、
ゆるい運動だったようだ。

ただ、ナチスの非人道的行為や個人の自由を
認めないやり方に疑問を感じる若者が集まり、
自分たちに何ができるか考えた。

物語では、ある村に鉄道が敷かれ、それにより
村が発展するのではと村民らは喜ぶ。村の駅の
先には操車場が作られるそうだ。だが、少年たちは
そこへ向かう貨物車に多数の人間が載せられている
ことを見てしまう。「操車場」とは何なのか?

少年少女数人は、生い立ちが異なる。だが、
それぞれの出自の違いを乗り越え、頭をめぐらし、
ある行動を構想する・・・。

全体主義国家における一般国民の姿もあぶり
出される。多くの大人たちは保身を考え、
ナチスの蛮行に対しても見て見ぬふりをする。
ふだん善行を行う人たちでさえも、厳しい局面
では体制に従順してしまう。

本作品を読んで、おそらく日本も同じような
状況だったのであろうと推測する。また、
現在の世界においても似たような状況になって
いる国や地域も多いことだろう。

我々は常に歴史を学び、今と比較しながら、
時代が逆回転しないように注意していないと
いけない、と改めて思った。


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