近未来の世界。
AIが高度に発達し、ロスアンゼルスでAIが核爆発をひき起こして街が消滅。
アメリカをはじめとする西側はAIを禁止。
対して、AIと人間が共存する「ニューアジア」と呼ばれる国々との、終わりのない戦闘が続けられていた。
ジョシュア(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、ニューアジアに潜入。
高度AIの創設者(クリエイター)にして、「ニルマータ」と呼ばれる人物の暗殺を命じられた。
ニューアジアでは、リーダーのハルン(渡辺謙)もジョシュアをそれと知らずに迎え入れ、ジョシュアはマヤ(ジェンマ・チャン)と出会い、恋愛関係に。そして彼女のお腹には子供が宿っていた。
しかし米軍がジョシュアたちの住む地域を襲撃、そのとき、マヤはジョシュアが米軍のスパイであることを知ってしまう。
米軍の「ノマド」と呼ばれる最新兵器が爆撃、そのとき船で逃げていたマヤも犠牲になった。
それから数年後。
ジョシュアはハウエル大佐(アリソン・ジャネイ)から、ある動画を見せられる。
そこには死んだと思っていたマヤの姿が。彼女は生きている!?
ふたたびニルマータを抹殺するために、ジョシュアはハウエル大佐らと、ニューアジアへ向かうことに。ジョシュアはマヤに再び会えることを願っていた。
ひとりで巨大な研究施設に忍び込むことに成功したジョシュア。
そこにいたのは、幼い少女の姿をしたAIだった。
ジョシュアは「彼女」に「アルフィー」と名付け、マヤの居所を知っているのでは?と思い、アルフィーを連れて逃げたため、友軍からも追われることに。
頭の後ろに据えられた装置をのぞけば、ぱっと見、アルフィーはかわいらしい女の子にしか見えない。
「天国って誰でも行けるの?」とアルフィーは問う。
「善人しか行けない」と答えるジョシュアに、
「ふたりとも天国に行けないね。あなたは善人じゃないし、わたしは人間じゃないから」と彼女はどこか寂しげに言うのだった。
だが最高度のAIであるアルフィーは、瞬時に電源を止めて兵器の能力を削いだり、驚異の機能を備えていた。
そしてジョシュアはさらに驚くべき事実を知ることになる。
謎に包まれていた「ニルマータ」の正体こそ、マヤだった。
自分の胎児をスキャンして、成長するAIとしてつくられたのがアルフィーだったのだ。
マヤは戦闘のためでなく、AIも人間も平和共存するために、とAIを作ったのだった・・
AIをどう使うべきか、と世界中で議論が渦巻く中、なんともタイムリーな映画。
とはいえ、「高度にコンピュータが発達を遂げすぎて、生身の人間の敵になり・・」といったコンセプトの物語は昔からあるが、本作は、戦闘シーンやAIの動きなどのダイナミックなビジュアルが、未来感を醸し出している。
「ニューアジア」の街角は、日本なのか中国なのかよくわかんない、奇妙な見た目。日本語の看板も目に付く。
ジョシュアとアルフィーとの別れのシーンが、とても切なかった。
やはりけっきょくは、AIも人間並みの喜怒哀楽を持つことが出来るようになる、AIも人間の気持ちをおもんばかれるようになるかもしれない、という願望がベースのようなんだけど。
となると、人間を救うのは、最終的には「人類愛」だ、ということなんでしょうね。
(10月31日、イオンシネマ大野城)
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