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2023年05月06日10:02

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韓国映画「不思議の国の数学者」

ジウ(キム・ドンフィ)が通うのはエリートばかりが集まる私立高校。
しかし彼は経済的に苦しい母子家庭という「特別枠」で入学したため、数学の成績が思わしくないし、恵まれたエリート高校生たちとはなじめない。

寮では使い走りのようなことをさせられ、コンビニに焼酎を買いに行ったところを、夜間警備員のハクソン(チェ・ミンシク)に見つかってしまった。

そのため彼は、退寮させられる。
担任の教師からは、公立高校に行ったほうが、推薦もとれやすいし、と転校を勧められる。

行き場のないジウは、理科実験室を仮住まいのようにするのだが、彼が持ち帰った数学の難題のプリントを、夜警中のハクソンがさらりと解いてしまう。

驚いたジウは、ハクソンに数学を教えてほしい、としつこいぐらいに頼み込む。
根負けしたハクソンは、正解を出すことが大事なのではない、正解を導くまでの過程こそが大事なのだ、と説くのだった。

高校の授業で難題も解いた上に、設問の不備を指摘するジウ。
教師はそれが面白くなく、出題者が求めてる答えを書けばいいのだ、とジウを非難する。

なぜ警備員のおじさんが数学の難題をすらすら解けるのか?
ジウはずっと不思議だった・
ハクソンは脱北者で、高校の生徒たちからは「人民軍(インミングン)」というあだ名で呼ばれていた。
しかしハクソンは数学のこと以外は聞くな、とジウや、ジウに関心を持つ女生徒のボラム(チョ・ユンソ)に強く言うのだった。

ハクソンはバッハが好きで、住まいでは、古びたラジカセにカセットテープに録音した「無伴奏チェロ組曲」を聴いていたが、音が悪い。
ジウは、「ほら、こんなにきれいに聴こえるよ」と、スマホを取り出し、ネットで検索したその曲を聴かせると、ハクソンは放心したようになる。

ハクソンを慕うジウだったが、北に住んでいた頃の彼を知る脱北者に、書店で偶然出会う。ジウは、ハクソンは只ものではないのでは、と思い始めるが、なんと彼はあの「リーマン予想」を証明した天才数学者だったのだ。

突如、北朝鮮は、「ハクソンは南に拉致されたのだ」と言い出す。
しかしハクソンは自分の意志で脱北していた。
だが、いっしょに韓国に来た息子はなじめず、悲劇的な死を迎えていた。
ハクソンのかたくなさは、そういう背景があったのだ。

ハクソンはジウに「数式は美しいだろ? でも南では、数学は就職に有利だとかそういうもののために使われてしまっている・・」と、純粋に学問を追究できない環境を嘆く。
そんな中、ジウは、数学の試験で不正を働いたと疑われてしまう。
担任教師は、これを機に転校させようとふたたび画策するのだが・・


チェ・ミンシクが、複雑な心境を抱えた脱北者の天才数学者、という役柄を見事に熱演。
ちょっと老けたけど、日本で言えば、晩年の古谷一行にちょっと似ているなー。
数学の苦手な高校生と、数学を解くまでの過程の大事さを教えながら、親子のような愛情、そして数学を通して同じ問題に向き合う友情をはぐくんでいくところがみどころの映画です。福岡に帰ってきて観た、最初の映画になりました。
(5月1日、T・ジョイ博多)
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