ヘジュン(パク・ヘイル)は、釜山の刑事。
原発に勤務のエンジニアの妻(イ・ジョンヒョン)とは別居婚で、週末にだけ会う。不眠症なのが悩みだ。
険しい山を登山中の男性が、転落死する事故が発生。
ヘジュンは部下のスワン(コ・ギョンピョ)とともに、決死の思いで登山して現場検証。
遺書らしき手紙を勤務先に送っていたこともあり、捜査本部は自殺と断定する。
しかし、ヘジュンは男性の妻・ソレ(タン・ウェイ)が気になる。
参考人として取り調べていたが、彼女は夫からのDVだと言って、身体のキズを、スカートをめくって平然と見せる。そして、夫の死を悲しむふうでもない。
美しいソレは中国人で、親子ほども年の違う結婚だった。韓国に来たきっかけは密入国だという。
死んだ夫は外国人出入国の官吏だった。
ヘジュンは容疑者としてソレの捜査を始め、尾行して行動の張り込みを始めるのだが、次第に美貌のソレに心を奪われていく。
そしてソレ自身もまんざらでもないように、ヘジュンと逢瀬を重ねるようになる。
ソレは介護の仕事をしていたのだが、夫が山で転落した日は、老女の家にヘルパーとして行っていた。
しかし、認知症の出ている老女を欺いて、スマホを在宅しているように操作したのでは?とヘジュンは疑う。
夫を殺したのだ、と思いつつ、ソレから心が離れない。
相変わらず不眠に悩むヘジュンは、異動でイポ市へ。
そこは霧が深く、妻の勤務地でもあった。
ところがその街の鮮魚市場へ夫婦で出かけたとき、偶然、ソレに再会。
ソレはチンピラのような、どう見てもカタギでない男と一緒だった。再婚したのだという。
しかし、まもなく、ソレの新しい夫が殺された。
ヘジュンは、またもやソレが犯人では?と疑うのだが・・
前評判がよくて見に行った映画なのだが、ワタクシ的には???であった・・(;´∀`)
魔性の女に惑わされ、自分もダメになっていく男、という物語は小説でも映画でも数多くあるが(シャロン・ストーンの「氷の微笑」とかアンジェリーナ・ジョリーの「ポワゾン」とか・・)、この「別れる決心」もその系譜だろう。
わたしは、サスペンスミステリーみたいな話を期待していたのだが。
映像的には、ヘジュンの妄想と現実がまじりあい、とてもわかりにくい(;´∀`)。映画評では逆にそのへんのトコロが、「映像美」として激賞されてるんだが、どうなのだろう。
ソレがほんとに犯人なのかどうかも、ヘジュンの妄想と混然一体となってるため、見ているほうは、真相がやっぱり判然としないのだ。
ソレは、韓国語が達者ではない、という設定なので、スマホの音声翻訳ソフトを使ってヘジュンとやりとりしたり、というシーンなどは、じれったさをいやおうなく高めて効果的なシーンではあるが。
わたしは基本、「思わせぶりな映画」ってダメなんだと思う(;'∀')。
その思わせぶりが、巧い、と取るか、うっとおしいと取るかで映画の印象は違うんだろうなあ。
監督は「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク。
主演のパク・ヘイルは、やっぱり谷原章介に見えて仕方ない(*'ω'*)。
タン・ウェイは、なんとなく雰囲気が井川遥を思い出させる。
ところで、物語に出てくる「イポ市」だが、地図で調べてみたのだが、該当する町を見つけられなかった。釜山近くで原発がある、と言えば古里(コリ)だが、そこがモデルかな?と思いました。
劇中歌、エンディングとして流れるチョン・フニの「アンゲ(霧)」が、昔の日本のムード歌謡みたいで、これはけっこう好きです。
(2月18日、TOHOシネマズ梅田)
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