☆洋ちゃんの読観聴 No. 1586
塚田穂高 「徹底検証 日本の右傾化」
2017年に出版された本書は、筑摩選書のひとつ。
なんと21人もの学者やジャーナリストが、
それぞれの専門領域で日本の右傾化を論じている。
具体的な例や統計数字も表しており、信ぴょう性は
高い。
テーマごとに６部に分かれている。
➀壊れる社会ーー新自由主義、レイシズム、
ヘイトスピーチ
�∪�治と市民ーー右傾化はどこで起こっているのか
�９餡箸閥軌蕁次雫�まる統制、浸食される個人
�げ搬欧判�性ーー上からの押し付け、連動する草の根
�ジ析世畔麁察次室�己賛美と憎悪の連鎖に向き合う
��蠢動する宗教ーー見えにくい実態、問われる政治への
関与
�Δ任蓮�統一教会に関しては今売れっ子の鈴木
エイトが書いている。彼はずっと昔から統一教会を
追っかけてきたのだ。ほかに創価学会、幸福の科学、
神道も取り上げられている。右傾化と言うと、
政治の問題と思われがちだが、我々一人ひとりの
日常生活の中に入り込んでおり、その意味では
宗教はウォッチしておく必要があると思った。
制度としての右傾化にも注意をはらう必要が
ある。既に君が代と日の丸は国旗、国歌に
制定された。それ自体は正式に決まったこと
なので今更どうこう言っても仕方がないこと
だが、問題は国旗の掲揚と国家斉唱の強制で
ある。それをしなかった教員への処分など
あってはならないと改めて思う。
教育現場でも家族の絆とか愛国心教育など
教科書もずいぶん変わってきている。
ただ、安倍派を影響力を持つ自民党にしても
世論に背を向けるわけにはいかない。
たとえば、夫婦別姓や同性婚は安倍派を
中心に反対する議員が多いが、先日の秘書官
発言が批判にさらされていることもあり、
これから法制化の方向に向かいそうだ。
そんなあれやこれやを改めて考えさせられる
本書は、右傾化のさまざまな表層を丁寧に
表してくれている。
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