生きろ

　今日は八月十五日。「敗戦の日」ですね。
　ということで、川越スカラ座さんにて「生きろ　島田叡　戦中最後の沖縄県知事」を観てきました。

　前任者が職場放棄して内地に逃げ帰ってしまったので急遽県知事として赴任し、苛烈な沖縄戦の組織的戦闘終結とほぼ時を同じくして行方不明となった島田叡氏と、彼と行動をともにした様々な人々を追ったドキュメンタリーです。
　岡本喜八監督の「激動の昭和史　沖縄決戦」では神山繁が演じた島田氏は、あの映画のとおり、本当に誠実に県民の命を守ろうとし、戦火をかいくぐって奔走した高潔な行政官であったようですね。
　沖縄戦が始まる前、県民が飢えることがないようにと台湾総督府と交渉し、食糧を分けてもらったという話は、今回、初めて知りました（その一部を、軍はかすめ取っていったらしいです）。
　太平洋戦争が始まる３０年以上も前から決められていた、沖縄県人（学生含む）の軍事動員計画の理不尽さに憤り、時には声を荒げて第３２軍司令部とやり合ったという島田氏。

　玉砕を拒み、部下や民間人に「生きろ」と最後まで言い続けた島田氏。
　今の日本に必要なのは、「国民の生命財産を守る」という当たり前のことに本気で、誠実に取り組める官僚や政治家なんだなあと改めて感じました。
　これ見よがしに八月十五日に靖国神社に参拝して「愛国パフォーマンス」を見せるだけのエセ政治家や、それに喝采を送る「口だけ愛国者」など、必要ありません。