ストロング小林さん追悼(176)

75年新日本プロレス「闘魂シリーズ第２弾」前半戦のストロング小林の激闘の模様を振り返りたいと思います。

11月に突入し北海道巡業の真っ只中、11月１日、網走市民体育館(観衆2,400人発表)大会ではＳ小林はメインイベントに出場、坂口征二とのパワー・ファイターズでミスターＸ＆イワン・カラマゾフ組と対戦。10月25日、伊勢原大会と同一カードとなりました。

１本目は15分32秒、Ｘが坂口を体固め、２本目は１分14秒、坂口がＸを片エビ固め、決勝の３本目は３分41秒、Ｓ小林がカラマゾフを体固め決めて２−１で坂口＆Ｓ小林組が快勝しています。

Ｘは新日本プロレスナンバー２である坂口からもフォール勝ちしていますが、坂口はＸから取り返しており、このあたりが坂口とＳ小林の扱いの差でしょう。

猪木はセミファイナルに出場、リッキー・ハンターを９分15秒、アバラ折り(コブラツイスト)でギブアップさせています。

11月３日、留萌市スポーツセンター(観衆2,500人発表)でＳ小林はベアキャット・ライトとシングルマッチで対戦、８分７秒、両者リングアウトの引き分け。

11月３日には国際プロレスの後楽園ホール大会に全日本プロレス勢が参戦、国際プロレスとの対抗戦を行っています。国際プロレスの試合会場には全日本プロレス代表の馬場と、力道山未亡人、百田敬子さんが来場し吉原功代表と握手。

対抗戦は全３試合組まれ、スネーク奄美(国際)が元国際プロレスの肥後宗典(本郷篤、全日本)を破り、大位山勝三(国際)は桜田一男(ケンドー・ナガサキ、全日本)を破り、寺西勇＆アニマル浜口組(国際)vs高千穂明久＆サムソン・クツワダ組(全日本)は20分時間切れの後、延長戦の末高千穂＆クツワダ組の勝利に終わり２勝１敗で国際プロレスに軍配が上がりました。

年末のオープン選手権、力道山13回忌追善興行に向けて猪木を日本マット界のアウトサイダーポジションに貶めるべく馬場が着々と脇を固めていきます。

新日本プロレスの巡業は北海道から東北へ戻り、11月６日、青森県八戸市体育館(観衆4,100人満員発表)大会ではＳ小林はハンターと２度目のシングル対決を行い11分54秒、カナディアン・バックブリーカーでギブアップ勝ち。初戦の両者リングアウト引き分けの憂さを晴らしました。

11月７日、青森県営体育館(テレビ生中継、観衆3,000人満員発表)大会、メインイベントは猪木がその仕事ぶりを高く評価されシリーズ前半戦の「暫定エース」となったミスターＸと60分１本勝負で対戦、14分33秒、バックドロップからの体固めで快勝、ビル・ロビンソンとの一戦に向けて大きな弾みをつけました。

セミファイナルは坂口とＢライトのシングルマッチ45分１本勝負で、暴走したＢライトが１分29秒に反則負け。

セミ前に星野勘太郎＆山本小鉄組のヤマハ・ブラザーズとフィデル＆ラウルのカステロ・ブラザーズの45分３本勝負が実現。10月25日、伊勢原大会でも同じカードが組まれていますが、今回はテレビ生中継での３本勝負。

１本目は12分52秒、ラウルが星野を体固め、２本目は８分56秒、星野がフィデルを体固め、決勝の３本目は１分46秒、小鉄がラウルを体固めに決めて２−１でヤマハ・ブラザーズに凱歌が上がり、リベンジを果たしました。

テレビ生中継は３試合で、Ｓ小林はテレビ生中継前の試合に出場、カラマゾフとシングルマッチで対戦、８分15秒、逆エビ固めでギブアップ勝ちを収めました。

11月８日、坂口に第二子誕生、利子夫人が男児を出産、後の俳優となる坂口憲二がこの世に生を受けました。

関東に戻った新日本プロレスは11月10日、Ｓ小林の地元の青梅市に近い東京・福生市民体育館(観衆3,200人満員発表)大会。

Ｓ小林はセミファイナルでハンターと45分１本勝負で対戦、11分６秒、カナディアン・バックブリーカーでギブアップ勝ち。地元に錦を飾っています。

福生大会メインイベントは猪木＆坂口組の黄金コンビが結成され、ミスターＸ＆ラウル・カステロ組と対戦、１本目は16分18秒、坂口がラウルを片エビ固め、２本目は９分11秒、猪木がラウルをジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールド(回転足折り固め)でフォール、ラウルが２本取られて猪木＆坂口組の黄金コンビが２−０でストレート勝ちを収めました。

11月11日、静岡県浜松市体育館(観衆4,000人超満員発表)大会ではＳ小林はＢライトとシングルマッチで対戦、10分29秒、両者リングアウトでまたまた引き分けに終わっています。