ようやく観る事ができました、「教育と愛国」。
いやー、ヤバいですね。マジで、日本ヤバい。
教育に対する一部政治家や特定の思想勢力の介入について、ある程度知ってはいましたが、こうして改めてロジカルに映像化されたものを観ると、「ここまできたか」「ここまでやるか」と戦慄せざるを得ません。
安倍晋三あたりがちょいちょい口にする「教育によって愛国心を持った人間を作る」という言葉がいかに恐ろしいか。
それは、その言葉を進んで具現化しようとする教育関係者、自治体首長、研究者達の台頭と、教科書選定プロセスにおける彼らの介入の度合いを見ればよくわかりますね。
そもそも教育の分野について語る際に「人間を『作る』」なんて言葉を使うこと自体、畏怖や尊厳というものに無頓着であることの表れなんですが、そんな粗雑な政治家に尻尾を振る連中も、さらにお粗末。
びっくりしたのは教育再生首長会議なるもののメンバーだった元防府市長・松浦正人。
この人物、従軍慰安婦のことを掲載した教科書を選定した学校に対し、大量の抗議ハガキを送りつけておりました。
驚くべきことにこの人物、件の教科書を読んでおりませんでした。そのことをいけしゃあしゃあと取材者に語るのですから、呆れます。
ついでに言うとその抗議ハガキは手書きでなく、印刷されたもので、まったく同じ文面のものが他にも匿名で数百通送られています。明らかに組織的にやっていることです。
さらに凄いのが、東京大学名誉教授の伊藤隆。
ナショナリズム丸出しの教科書の代表執筆者であるこの人物、いきなり「歴史から学ぶことなんてない。ないんですよ」と言い放ちます。
ホントに学者なんか?
おまけに「自虐史観」「左翼史観」「反日」など、あっち界隈特有の言葉を連発してるくせに「イデオロギーに左右されてはならない」などとトンチンカンな発言をするので、開いたクチが塞がらなくなりましたよ。
挙げ句の果てには「自分の教育の目的は『ちゃんとした日本人を作る事』」ですと。
また「作る」ですか。人間を何だと思ってるんだか。
こんなのが東大でセンセやってて、しかも歴史学の重鎮ですって。
日本が落ちぶれるわけですワ。
とにかくこうして具体例をわんさか紹介して、日本の教育界の退廃を本作は見せつけてくれます。
教育基本法を改悪して、公教育に政治介入することを容易にした現政権与党とその周辺に蠢く勢力の危険性を、私達国民は知っておく必要があるでしょう。
最期にもう一つ。
現在、学校教育もデジタル化が進み、小学生もタブレットを持つようになっていますね。
では、そこに入っている教材は、どこで誰が決めているのか。
実はコレ、都道府県の教育委員会ではなく市町村や学校長が、業者の提案するものの中から決めてるんだそうです。つまり、教科書みたいな検定は一切なし。
つまり、選定責任者がもしヤバい思想の持ち主であったら、そいつに思想誘導の道具に使われる可能性もあるわけですよ。
こういう流れ、早いうちにどこかで止めないと、本当に危険だと思います。
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