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2022年03月16日13:51

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1525

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1525

ダニエル・フリードマン 「もう過去はいらない」

アメリカのメンフィスを舞台に87歳の元刑事が
活躍するのが「もう年はとらない」で、本国でも
賞をとったほか日本でも好評を博した。本作品は、
元刑事バック・シャッツのシリーズ第2弾。

前作から1年たち88歳の主人公は、さすがに
身体のあちこちにガタがきている。今や老人
ホーム暮らしで、歩行器なしでは満足に歩けない。
そんな彼のもとに元銀行強盗のイライジャが
やってきて、何者かに命を狙われているので
助けてほしいと言う。バックはイライジャとは
40年以上ぶりの再会だ。かつて彼に犯罪計画に
誘われ断ったことがあるのだ。イライジャは何か
企んでいるようだが、それは何か?

1965年のイライジャとの対決と二人が老いた
2007年とが交互に記述され、盛り上がっていく。
古臭いハードボイルドではあるけれど、そこは
88歳の老人の古くて懐かしい価値観がなんとも
味があって楽しめた。若い人には違和感がある
かもしれない。

そして前作以上に本書ではアメリカにおける
ユダヤ人の社会的立場が詳細に語られている。
黒人やヒスパニック、アジア系とは少し違うが、
差別の対象となる民族ではある。キリスト教が
主たる宗教の米国においてユダヤ教は異教で
ある。そしてヒットラーにより虐殺された
ユダヤ人ならではの世界観もある。

ユダヤ人やユダヤ教はあまり日本人にはなじみが
ないが、アメリカ社会を知っておく上で、
ある程度知識を持っていたほうがよいと僕は
思う。

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