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2022年03月02日10:16

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映画「ひかり探して」

警察官のヒョンス(キム・ヘス)は、捜査中に自動車事故を起こしてしまい、休職中。
復職に当たって、ある事件の報告書作成を命じられた。

離島で女子高生セジン(ノ・ジョンイ)が、遺書を残して行方不明に。
島の断崖の上に彼女の靴が残されていたし、当日は台風で海が荒れていた。
そのため、自殺し、遺体は流されて見つからない、と推定された。

ヒョンスもそれをなぞるように島で関係者に話を聞いて調査書を仕上げる、はずだった。
ところが単なる女の子の自殺ではない側面を、ヒョンスは見ることに。

セジンの父は密輸事件で逮捕され、兄も服役中。
両親は離婚し、実母は連絡が取れない。

親族が犯罪に関わり、未成年者の保護ということなのか、セジンはソウルから、この離島に移されて、監視カメラのついた古い家屋に住まわされていた。
監視カメラの映像に残された、セジンの怒りの表情。

そしてセジンは父親の事件で、詳細が分かる帳簿を持ち出していたことが分かる。

セジンの保護担当だった男性刑事、島でセジンを最後に見たという、口がきけない女性(イ・ジョンウン)、セジンの遺留品の子ども時代の幸せそうな写真・・
調査を進めるうち、セジンは死んだというより、生きようともがいていたのではないか、とヒョンスは思うようになる。

ヒョンス自身は夫と離婚訴訟中。
夫の浮気が原因なのに、自分も不倫したような噂を職場で立てられ、警察内部ではヒョンスの復職をよく思わない同僚もいた。

けっきょく、ヒョンスは「セジンは死亡した」と報告書を書くのだが、彼女は思うところがあって、警察には戻らないことにした。
そして夫のオフィスに乗り込み「徹底的に闘う」と宣言、さらに韓国から遠く離れた南国の島へ。その観光地のカフェテラスで働いていた女性は・・

監督も、主要登場人物もすべて女性。
サスペンス感のある、不思議なあじわいの映画である。
自殺の真相をさぐるミステリーかと思いきや、その調査の過程で「生きづらさ」をかかえた女性たちの顔が浮かびあがり、懊悩をかかえた主人公が、少女のセジンに感情移入していってしまう、というストーリー。

メインのストーリーに、ヒョンス、セジンの回想シーンがさしはさまれるので、少々わかりづらい面もある。
それに、韓国の福祉制度はよく知らないのだが、肉親が犯罪で逮捕されたからと言って、離島で保護、というのもよくわからない。画面からすると、ヒョンスが何度も往復しているし、ソウルからはさほど遠くない島のようだ。
口がきけない女性は、筆談でヒョンスとやり取りするのだが、このことが伏線となって、物語の終盤、大きな意味を持ってくる。この辺は脚本がうまい。

原題は「わたしが死んだ日」で、こちらのほうが邦題よりもいいと思うんだけど。
(2月28日、第七藝術劇場)
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