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2022年02月17日13:32

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第114回音楽家講座in鶴見  2月15日(火)

最近の先生の気付き「連続的影観法」の影響のせいなのか、流れのせいなのか、いつにも増してユニークで濃い参加者の皆様が集った一種不思議な時間となりました。

最初はTVの影響かな?と思ったのですが、TVで先生のことを知ったという方は極少数で、殆どの方は書籍や他の講習会、先生のHPなどで、かなり以前から先生のことを追いかけていらした方が殆ど。

以前も感じましたが、「音楽家講座」という場が独自の磁場となっているような気かします。

コロナ禍は、本当に様々な分断を招き、不可解なことばかりが増え、一層、陰鬱な気持ちになる日々も多いですが、だからこそ、より真摯に何かに取り組む若い方々も増えている、というのを感じております。

そんな訳で、今だに頭の中が混沌していて、霧が渦巻いていて、いつもよりさらに酷いレポートとなりますが、御容赦を。

・・・・・・
(お話)
同じ様に練習していても、上達する人とそうでない人が居るのは何故か?

それは、どの程度その「練習」に新鮮な思いを感じているかによる。

子供などは、そうした環境に置かれる事が最も重要。

例えば、オランダ語の発音などは、世界で一番難しいそうだが、好奇心、見取り能力、といった直感的に取り入れる能力があるからこそ、喋ることができるようになる。

幼い兄弟が居て、下の子がしゃべり始めた言葉を大人は理解できないけれど、子供である兄は「〇〇ちゃんは、こう言っている。」と翻訳していることは多々ある。

直感での理解が出来るのである。

しかし、ここに大脳が関わってしまうと、習得の効率が悪くなってしまう。

だから「トレーニング法」というのは人の本質的な部分には響いてこない。

バーベルは(疲れたら、そこに置いて)手放しても、死なないが、(高い)木登りの途中で手を離せば(墜落して)死ぬ。

相撲でもそうらしいが、トレーニングではなく、仕事でやっていることは必然性がある。

その動きに必然性があるかどうかが、大事。

必然性のないままのトレーニングは「待ちぼうけ」で、「嫌でも我慢してやっていれば、いつか良い事があるだろう」というものに過ぎない。

今行っている、そのことに夢中になっているか否かが大事なのである。

明治大正の剣客であった中井亀治郎のエピソードの紹介。

(猿を追いかける、醬油樽を棒で叩きながら傾斜50度の山を駆け下りる、等)

純粋な興味、好奇心、そして必然性のある仕事で培われた筋肉というのは針金が強く捩リ合わされている様な状態で、それは緊張と弛緩のグラデーションが瞬時に変化することが出来る筋肉である。

しかし、トレーニングによる筋肉は、むしろ動きを阻害し、邪魔することになる。

古来『夢想剣』というものがあるが、それは「我ならざる我」を発動するものである。

無新の境地、ゾーンに入ること。

失敗があり得ない、という境地。

2015年早川書房から出た『超人の秘密』(原題:エクストリームスポーツ)で紹介されている事例は皆、命がけのもので、それはflow,我ならざる我、が発動され、自分も観客の一部になっているかのような状態でなければ出来ないことである。

2017年、バリで、現地の高名な舞踏家との交流を持って以来、ディジュリドューや津軽三味線などを聴いて、身体の発動に任せて舞うことを行っていた。

(こうした流れの上で)

『影観法』は自分ではない、もう一人の自分を出すためのもの。

これを連続的に行い続けるのが『連続的影観法』。

相手に初対面と思わせないセールスマン、1000人いても自分の為だけに歌ってくれていると感じさせる美空ひばり。

自分の動きの実況中継をしない。(日頃はしている、ということか・・)

社員に自由にさせて、それで業績も上がっている、という良い社長、というのはまだまだで、そうではなく、

社員が皆、反抗的で逆らってばかり居るのに、業績が上がっているという社長に。

民から慕われる王ではなく、民から忘れられている王こそ、至高の王。

『猫の妙術』

無為の為(荘子)

天邪鬼、自分の(脳の)命令を聞かず、反抗し続ける。

こうした中に微妙な不思議さ、清明さが。

思った通りにやることが、陳腐でどうしようもなくつまらない、情けない事に思えてくる。

本当に、その人の人生を変える動きとは、本当に追い詰められた時に出た動きであり、
常識で隠された能力である。

もう一人の別の自分がどこまで行けるか。

2019年に出した『古の武術に学ぶ無意識の力』(甲野善紀・前野隆司 共著:ワニプラス)で、

人とは、実は勝手に動いて、脳がそれを追認していることが多い、と語った。

脳の捕縛の網から逃れ続ける、認識しようとするのをやめ続けること。

自分の脳からの命令に常に逆らわせ続ける稽古法の紹介。

いじめの問題の解決にも繋がる技法。

杖での稽古法。

人はでたらめを言い続けることは難しい。結局はパターン化してしまう。

パターンをどこかで打ち壊す。

どうやってヒビを入れるか?
何の目的も意味もなく、しらける状態。

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(個別指導)
1.オリジナル弦楽器製作者
身体に負担がかかるヴァイオリンをより誰でもが容易に弾けるように、と工夫を重ねているとのこと。
試作品の左手のポジションに詰りがあることを先生が指摘。結果従来のヴァイオリンがあの形状、奏法となっている理由も浮かぶ。不都合なのは楽器というよりも、それを操る人間が硬直してしまうからで、名手はヴァイオリンと共に踊る。この奏者の身体性がなければ、本当にどうしようもなく大変な楽器になってしまう、と改めて認識。
・・フルートも、全ての楽器も、同様だろう・・
誰にでも、より演奏しやすくなる新な弦楽器の完成、楽しみです。
講座終了後、鳥取からいらしていたことを知り驚き、先生にご報告を。
・・・・
(先生のツィート)
昨日15日の鶴見の音楽家講座には、わざわざ鳥取県からいらした方があったと後で知りました。遠路わざわざ来ていただいた方の御苦労に御礼を申し上げます。
鳥取県は、その土地の自然の酵母を使ったパンを焼かれている「タルマーリー」さんがありますので、一度は伺ってイベントをと思っております。また、この鳥取県、鹿野の栃餅も私の好物ですし。私が鳥取に伺った折は、また是非いらしてください。
また、広島は「バランスからだ塾」がありますので、あちらと予定が合えば、そう遠くないうちに伺えるかと思います。



2.シンガーソングライター
先生の『影観法』を歌で取り入れたい、との質問に、甲野先生はしばし絶句。
先生とのご縁、交流によって、どのように深化されていかれるか、楽しみです。
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(先生のツィート)
昨日は鶴見の音楽家講座。車椅子で参加されたシンガーソングライターの森圭一郎氏から「影観法を歌に応用してみたい」との質問が出され、その発想に衝撃受ける。

なぜなら、動作と違い声は、より脳というか意識との距離が近いことをあらためて実感させられたからだ。しかし、その質問の裏に籠められている森氏の様々な思いや経験からか、ただうなずいて私の話を聞かれている森氏に話しているだけで、私の中から色々なものが引き出されてくる。



3.シンギングボウル
初心者ということで、緊張してしまうとのご相談。頭部に鎖紐を巻いていただいたところ、肩の力も抜け、澄んだ響きに。先生にも叩いていただきましたが、

「やってみると、本当に難しいものですね」と驚かれていましたが、深く澄んだ響きに。


4.三味線、歌、役者
声の表現での悩み。呼吸が浅くなる時の対処法、舞台での押し殺した淡々とした表現の仕方など。

呼吸をとても大切に取り扱っているだけに、先生が呼吸の話をされることは珍しいのですが、かなり詳細なお考えを聞くことができました。
仙骨に関しての示唆も初めてのこと。
ただ、こうした具体的なことは、私の解釈で書いてしまうと意訳も甚だしくなる恐れもあるので、ここまでで。
表現に関しては、「自分の中の声が前ではなく、後ろ側に語り掛けるように」。
着物の帯が前ではなく、後ろにあることも。
顔が反転して後ろを向いたようなつもりで。


5.アルトフルート
立ったままでの演奏時、重さに負けてしまって大変、とのことで・・
右肘を頭の後ろにまわしてから持つ、という稽古法を。
どのようなルートを辿るかで、身体の状況は変化。
見た目にも、右肩が下がり、音の抜けも良く。


6.ハンマーダルシマー
こちらも、持ち運びの時の楽器の重さに負ける、というご相談。
その重さは10キロ。
手指への紐と祓い太刀。

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今回、初参加の方優先ということもあり、時間切れで、個別指導のご希望に添えなかった方も出てしまい、申し訳なかったです。

次回参加された折には最優先とさせていただきますので、どうぞお申し出くださいませ。

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本当に、いまだ混乱中ではありますが、面白く、楽しい時間でした。
甲野先生はもちろん、夫々の真摯な想いを胸に集ってくださる参加者の皆様との交流、そして様々な演奏が聴けることが、心の糧となっております。

ありがとうございました!

次回は同会場、同時刻にて3月10日(木)開催です。
どうぞお越しくださいませ!

シ写真は、ンギングボウルと対峙する先生、指紐














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