今日から始まった「ジョン・カーペンター レトロスペクティヴ2022」。
初公開当時に見逃したままになってた「ザ・フォッグ」が4Kレストア版でスクリーンで観られるとあって、初日に行ってきましたよ!
いやー楽しいわ!こういうの大好き!
何と言いますか、「どす黒いフェアリーテイル」「ダークな『日本昔ばなし』」とでもいいたくなるような薄気味悪くて禍々しい、田舎の怪談ばなしなんですねえ。
昔、キネ旬のコラムで小林信彦氏が「『ハロウィン』の怖さは殺人鬼の正体がまったく不明であるところにあったが、今回の亡霊は殺戮の目的が明確にあるので、さほど怖くない」と評しておりまして、まあ確かにそうだな、とは思います。
でもあの亡霊さんたちって、「オレら、目的果たすまでは帰んねーからな!あきらめねーからな!」的強引さを持ってて、それはそれでおっかないと私は思うんですよね。とにかく彼らの行為は防ぎようがない。退治のしようがない。逃げるしか手だてはない。
これって、相当怖いじゃないですか。
「ザ・フォッグ」ではカーペンターお得意の「限定空間に閉じ込められる恐怖」が2カ所で同時進行する筋立てになってて、そこもちょっとお得感がありましたね。
監督やスタッフが一人何役もやってたり(ロブ・ボッティンまでもが役者として登場!)するというお安い作り故のいい加減さも少々目立ちますが、そこはまあ、ご愛嬌。
アメリカ的スモールタウン・ホラーの面白さをとことん追求した快作でありましたぞ。
ラストでの「あ、ごめーん。仕事いっこ忘れてたわ!」みたいな処理もまた愉快。
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