エディ(ポール・ニューマン)は、ビリヤードの名手。
伝説のハスラー(勝負師)のファッツ(ジャッキー・グリーソン)に勝負を挑み、一昼夜にわたる死闘を繰り広げた。
一時はエディが勝ち越したものの、勝負を見ていた賭博師のゴードン(ジョージ・C・スコット)はエディに「お前は負け犬だ」と冷ややかに言う。
結局、エディは酒を飲みながらフラフラになり、ファッツに負けた。
行き場を失くした傷心のエディは、早朝のバスターミナル待合のカフェで、サラ(パイパー・ローリー)と出会う。
サラは「自称・女子大生」で、週に何度か大学に通っている、というが、どこか物憂い感じのする謎の女性。
しかし、心の底で共感しあうものを感じたエディは、彼女と暮らし始めた。
エディは場末のビリヤード場でハスラーとして、賭け金を吊り上げ勝負をするが、そこいらのビリヤードプレイヤーでは相手にならない。
エディをこころよく思わない男たちに、彼は捕まり、親指を折られてしまう。
サラの介護でようやく回復するが、エディは、ゴードンをマネージャーのようにして、再びファッツに挑むための資金稼ぎの旅に出た。
ルイヴィルへ出かけ、ビリヤードの大会に出たエディは、なかなか勝てず、ゴードンに資金援助を頼むのだが、そんな彼らを見てサラは、ハスラーは「邪悪で、心がねじ曲がっている」と言う。もうここから立ち去ろう、というサラを、エディは聞き入れない。
サラはホテル浴室の鏡にリップスティックで、「邪悪で心がねじ曲がっている」と書きつけ、自殺。
会場からホテルに戻ったエディは悲嘆にくれる。
ルイヴィルで勝った資金を元手に、エディは再度、ファッツとの勝負を挑んだ。
長丁場のゲームで、とうとうエディはファッツに勝つ。
それを見ていたゴードンが、獲得した金の半分の分け前を要求。
エディは、サラの死にも何ら感情を動かさなかったゴードンをさげすみ、勝ち負けにこだわるお前こそ負け犬だ、と言う。
ビリヤード場を去るエディに、ファッツはお互いの健闘を称え合った。
1961年製作だから、わたしが生まれる前の映画。
「ハスラー2」は見たことがあったが、こちらは未見だった。
ただ強くて、ビリヤードのゲームに勝って、賭け金を巻き上げて行くばかりの男が、サラという不思議な女性と出会うことで、ハスラーとしての生き方を見つめ直していく、というあたりがみどころでしょうか。
当たり前だが、ポール・ニューマンが若い!
昔「ちょっとこじゃれた趣味を持ちたいな」と思ったわたしは、ビリヤードをやったことがある、という夫に、教えてくれないかと頼んだことがある。
当時の住まいからほど近いところに、ビリヤード場があったのだ。
すると「そういうのは、もっとうまい人に習ったほうがいいから」と言われ、あえなく却下。ビリヤードをやるのは幻に終わった。
この映画、ポール・ニューマンも有名なプレイヤーに付いて、かなり練習して撮影に臨んだらしい。
(12月23日、NHK BSプレミアム)
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