★洋ちゃんの読観聴　No. 1502

★洋ちゃんの読観聴　No. 1502　　　　　　　　　

映画　「チェ―シング・トレイン」　　　　　　　

これは1967年に40歳の若さで亡くなったジャズの
サキソフォン奏者ジョン・コルトレーンの生涯を
表したドキュメンタリー作品である。

残された映像とコルトレーンと親交のあった人たちの
インタビューで構成されている。インタビューで
登場するのは、ソニー・ロリンズ、ベニー・ゴルソン、
ジミー・ヒースといったコルトレーンと同時代に
活躍したプレイヤー、そして次世代のウィントン・
マルサリスやカマシ・ワシントンらもコルトレーンの
功績について語っている。

さらにビル・クリントン元大統領もジャズという
音楽の成り立ちや人種差別、そしてコルトレーンの
偉大さについて述べている。

映画のできとしては普通だ。僕はコルトレーンの
ことをある程度知っているので、ほとんど目新しい
ことはなかったのだが、一つだけ本作品で知った
ことがある。彼が1966年に来日し日本公演を行ったが、
その際に長崎を公演会場に加えた。彼は戦争を嫌い
平和を志向する人だったが、原爆で亡くなった人たち、
被爆者たちには深い思いがあった。原爆が落とされた
地には碑があるが、ここを訪れた写真も見られた。

ジャズに関心のない人には特に薦める映画ではない。
だがコルトレーンのファンでなくてもジャズが
好きな人であれば一見の価値はあると思う。