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2021年10月22日10:50

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映画「燃えよ剣」

洋装の土方歳三(岡田准一)が、自分の生涯をとつとつと語りだす。
もう死期が近いことを予感してのことだろうか。
相手は、旧幕府の軍事顧問のフランス人・ブリュネだ。

武蔵野国・多摩の悪ガキだった時代、近隣の連中とケンカに明け暮れる。
農家の息子で、打ち身に利く、と薬売りもやっていたが、本人は武士に憧れていた。
天然理心流道場で、幼馴染の近藤勇(鈴木亮平)、沖田総司(山田涼介)らと腕を磨く。

時代は、黒船来航から、風雲、急を告げる。
会津藩主・松平容保(尾上右近)は、京都守護職を命ぜられ、泥をかぶる覚悟で上洛。
しかし、みやこは、さまざまな浪士が暗躍し、治安が乱れていた。
そのため、京の警護の武士を募ることに。
土方は近藤や沖田らとともに、京へ。
そして彼らは、芹澤鴨(伊藤英明)、山南敬助(安井順平)、斎藤一(松下洸一)らとともに「新選組」となり、京でその名をとどろかせる。

しかし、尊王攘夷を掲げつつ、意見の相違から仲間にも亀裂が入り、芹澤は惨殺され、副長の土方は厳しい御法度を定める。
池田屋襲撃事件では宮部鼎蔵を暗殺。
だが、薩長が同盟を結び、倒幕へと時代は動く。
徳川慶喜(山田裕貴)は大政を奉還。

土方や近藤たちは闘いを続ける。
そんな中で土方が出会ったのが江戸から来ていた絵師の雪(柴咲コウ)。やがてふたりは心を通わせることになる。

幕臣だった新選組の隊士たちは一転、「朝敵」となり、敗走を続ける。
近藤は捕らえられ、さらし首となった。
会津も新政府軍に攻められ、落城。
土方は函館に渡り、最後の戦いに挑んでいた。
自分の写真を撮った彼はそれと手紙を部下に託し、故郷・石田村の家族に届けるよう命ずる。

ブリュネは、土方に「あなたこそ本当のサムライです」と語り掛けるのだった。


わたしは実は、三谷幸喜のドラマ「土方歳三 最期の一日」を見て、土方ファンになった人間。大河ドラマの「新選組!」はほとんど見ていなかったので、改めてレンタルDVDで全話見直し、函館に旅行し、五稜郭や、土方が戦死したという場所にある記念碑を見に行ってきた。
さらに在京中、日野市にある土方歳三記念館や、土方家の墓参りにも行ったほどである(;´∀`)。

わたしは九州人だが、幕末の薩長の人間より、「敗れた側」の新選組や会津藩にシンパシーを感じます。
土方など、ただひたすらに自分の思いのまま突き進んでいたら、突如、体制側から反体制側になってしまい、仕えていたはずの幕府は崩壊。多摩から、人生で思いもしなかった北の大地へと転戦し、終焉を迎えてしまう悲哀は、わたしの心をとらえた。

そういう経緯もあってか、どうも新選組の土方歳三と言えば、山本耕史が浮かんでしまうのである(;´∀`)。
山南は堺雅人、芹澤は佐藤浩市、斎藤はオダギリジョー、原田左之助は、今を時めく?れいわ新選組の山本太郎のキャスティングがやっぱり頭から離れない。
とはいえ、岡田准一の土方も、けっこう似合っていたと思います。

密になる戦闘シーンとか、激しい斬りあいとか、よく撮影できたなあ、と思ったら、撮影はコロナ禍前らしい。
もともとは昨年5月に公開予定だったのが、映画館休館などのあおりで、1年半近くずれ込んでしまったようだ。

殺陣シーンはさすがの迫力。
いやー、ほんとに幕末って血なまぐさかったのね〜と実感。
しかしながら、「新選組」の名前は知っていても、彼らや彼らを取り巻く人々との人間関係も複雑で(味方がたやすく敵になったり)、いろんな藩士の力関係もあいまって、その知識があらかじめないと、わかりづらい部分もあるような気がする。

さて、司馬遼太郎の原作「燃えよ剣」、実は8年前に入院した際に読んでいる。
原作にも絵師の女性が出てきて、歳三と恋仲になるが、これは司馬先生の創作キャラクターですね。

ちなみにブルース・リーの大ヒット映画の邦題「燃えよドラゴン」は、「燃えよ剣」から拝借したのだそうです。
(10月20日、エキスポシティシネマ)

追記;谷口ジローのマンガ「北のサムライ」は、土方歳三が箱館戦争後も実は生き延びていて、択捉島の番屋の主人として暮らしている、という物語。
残念ながら単行本未収録なのだが、いつか読んでみたいものである。
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