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2021年01月19日02:29

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「音楽とはコミュニケーションである」(オーレル・ニコレ)



CD(演奏とギター伴奏カラオケ)付き楽譜『水月・浮雲』が発刊されたのが昨年も押し迫った12月30日。

https://www.alsoj.net/store/view/ALFLSU.html#.X-gomfh7lPZ


まだ一か月も経っていないのですが、お陰様で、私の「現物支給謝礼分」の楽譜は完売となりました。

年賀状でのお知らせ、同窓生のグループメール、ブログ等の告知の結果、沢山の皆様にご購入いただくことができました。

本当にありがとうございました!



今回、特に感じたのは、

「音楽とはコミュニケーションである」

という、師・植村泰一先生の師であるオーレル・ニコレの言葉です。

「何故フルートなのか?何故音楽なのか?」

というのは、私がいつも抱えている疑問であり、悩みです。

この疑問に対しての師の答えが上記のものでした。

その時は、あまりぴんと来なくて、そういうものでしょうかねえ・・という感じでした。

でも、今回、このニコレの言葉がようやく腑に落ちました。


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今回大きな反響があり、丁寧な感想が記された長いお便りや、メールを沢山いただくこととなったのです。

これは、現在のコロナ禍が続く状況ということが大きな要因ではあると思いますが、かつてない程のものでした。

個々に違う様々な感想は、みなどれも私よりも深い楽曲の解釈だったりもして、聴き手の人間性、知性がそのまま「感想」にも表れるものなのだなあ、と改めて感動。

中には、コロナ禍でリサイタルが中止になりしょんぼりするばかりだったけれど、この楽曲を聴いて、前を向いてねじを巻きなおそうと思った、というお便りも。

そうそう。その目標が叶うか否かは、こんな状況下だから運命かもしれませんが、目標を持つことで、普通の毎日が輝くものになる。

もし予定した日が、コロナでまただめになったら、また延期すればいい。
何度でも。

あきらめないで、期間限定にしないで「いつかやる」と決めて希望を持つことが大事なのだ、とその方を励ましつつ、自分に言い聞かせていました。

「そうそう!とにかく何かあると思うことで元気になれるからね!」
と新年最初にお電話をくださった大学の恩師・青木明先生も仰っていた。
先生からも「パワフルによくやったね。僕も頑張るよ!」との嬉しい言葉が。

まさに「あきらめたら、そこで試合終了だよ。」(安西先生@スラムダンク)だ。

またNYでの個展が中止となったアーティストからも同様のメールが。
今までは、知人の知人、という感じで、ここまで深い話をしたことがなかったのですが、一気にお互いの理解と親しみが増しました。

アトリエでずっとこの楽曲を流してくださっているとのこと。
彼女の作品にこの楽曲が反映されるかもしれない、と思うとこれまた嬉しい。

・・・・・

「昨夜よりずっとアトリエには、ゆったりとして、優しい、でも、研ぎ澄まされた空気が満ちております。
特に水月、あの、瑞々しいお姿をかんじられる至福のひと時となりました。
私も、制作の源の一つは、観音様です。」



「澄んだ音色の 美しい曲ですね。
フルートとギターで、このような雅な空気が醸し出されるのですね。
激しい情念も月光が静かに清めている・・そのようなイメージを持ちました。
どちらの曲も、何か物語が生まれてくるようです。また、宇治平等院の雲に乗った菩薩様達ですが、何年か前、藤の季節に訪れました折、宝物館で何体かに出会い、爽やかな感動を覚えました。つらく苦しい人生を乗り越えた者には、軽やかな音曲と共に、安らかな極楽への招待がある、そう思いたいですね。」


「聞きました。いい笛の音ですねえ。染み込みました。」


「「水月」は恋の歌とのことと楽譜にあり,なるほどと思いました.「浮雲」の方は,ギターの開放弦のみということから生まれる不協和感と旋律の 透明感が独特の雰囲気も作り出していますね.どちらの曲も優しさが感じられますね.#浮雲のギターソロ部分は,ギターでこういった音が出るんだという感じでびっ くりしました。」


「ギターとのアンサンブルが最高でした。とても気に入っております。さっきまで大学でも聴いておりました。」


「「水月」と「浮雲」、じっくりと聞いています。
恋歌に表現されるような人に会えないもどかしさの一方で、遠くにある月や雲を通して別の視点を感じ取っています。人と会う機会が少ない昨今ですが、徒然草の第21段にもあるように、こんな時こそ月や風や水の流れなどを通して自然のありようをじっくりと感じ取る機会かもしれないと、思い出させてくれました。」

「和風の曲調が、滑らかなフルートと、ギターで洋風にも聞こえて不思議な感じがしました。フルートもパワフルですね。ほかの曲も聞いてみたくなりました。
「水月│浮雲」 曲にマッチして、いいタイトルですね。」

「貴女の作品演奏、何方も素晴らしいです♪年齢を重ねて益々良い感じになる奏者とそうでない!?(上から目線の表現?)プレーヤーがいますが、貴女は間違いなく前者ですね。此度は老いが始まって背筋力、肺活量が衰える迄は(まだ当分大丈夫〓♀)、このままこの調子で突き進んで下さい^_^!とても写実的な曲と演奏でPrima 〓です♪」

「真理さんも、しっかり活動成果を上げられ、わたくしも大いに感動して聴かせていただきました、ありがとうございます。この時期だからこその曲と感じました。」

「自然のざわめきに寄り添った音楽に心慰められました」

「静かで力強い曲だと思いました。」

「久しぶりにいろんなことを感じさせていただき、コロナの憂鬱も少し晴れた気がします。」

「とにかく聞いていて心地よく、しばし世の中の事すべてを忘れて至福のひと時を過ごすことが出来ました。」

「汚れた世の中を忘れ一点集中、幸せを存分に味わいました。ありがたく感謝あるのみ。」

「車のなかで、何度もCDを拝聴しておりますと天空の世界へいざなわれるようで心が清まります。」


「先ずは1回拝聴しました。素晴らしいです。 楽譜も拝見しましたが、やはり理解できませんでした。でも、また繰り返し楽譜と CD とを比べながら、聴いてみようと思っています。 今日は、ともかく、フルートの音と、ギターの音と、両方とも素晴らしいと感動したということだけをお伝えしておきます。では、いずれまた。
・・・・・・
「水月・浮雲」のCDをほぼ毎日聞いています。何度聞いても良い曲ですね。楽譜はまだまだ理解できませんが、勉強してみたいと思っています。」

これは、「浮雲」作曲のきっかけとなった岩城先生から。
90才になってから楽譜を勉強してみたい、というのが、流石の岩城先生です。



・・・・・・・・・・・・・・・・

1月になってからは、現在もですが、毎日いただいた感想ひとつひとつにお礼のお返事を書いていました。
最後の「ご自愛くださいませ」がありきたりな慣用句でなく、切実な祈りになってはしまいましたがお互いの無事を祈り、いたわり合う気持ちが響き合う。

過去に出したCD2枚も、リサイタルやコンサートでも、もちろんその時々の嬉しい感想をいただいたけれど、今回はなんというか、演奏だけでなく、楽曲自体を本当に喜んでいただけたのだなあ、と感じられます。

『水月・浮雲』は作ったというより授かったという方が良い感じで生まれた作品。
なので、きっと聴いた方も、その「授かりもの」を感じ取られたのではないか、と思います。

フルート、音楽を続けてきたからこそのコミュニケーションがとてもありがたく、
新たに元気をいただけることに、本当に感謝しています。

こんな時だからこそ特に。

・・・・・・・・・・・


本当は昨年4月に出るはずだったこの仕事が滞った時についつい甲野先生に愚痴ったら、

「物事、起こること全てに意味がありますから。」

と慰めていただけたのですが、まさに、今の時機に出ることになったからこそ、より沢山の方の心に届くことが出来たのかもしれません。


そして、題字も書いてくださった甲野先生の感想は・・

「拝聴した最初の「水月」は、最も心惹かれました。これはおそらく心を動かされる方が他に何人もいらっしゃるのではないかと思いますが、今まで拝聴した白川さんのフルート吹奏の中で、最も私の印象に残るものとなりました。」


・・・・・・

植村先生には、怖くてお電話できないまま。
言われそうなことも予想がついているだけに・・

きっと「・・また白川が・・」

と、あきれておいでのことでしょう。

でも、そのお叱りがあるからこそ、ここまでやって来られている訳で。

「いいか、本当に良いものを理解できる人間は5パーセントいるかいないかだ。評判が良い時ほど、何かおかしいと思いなさい。」

この言葉は、いつぞやのリサイタルでの評判がよく浮かれていた私への鉄槌。

5パーセントの人だけのための極上の音楽というのもスノッブな話であるけれど、提供する側はかくあるべし、という戒めだと捉えている。

その5パーセントに感動、共感してもらえる音楽を心がけよ、迎合するな、と。

そう仰る師匠の音楽は、誰が聴いても100パーセント、魂に届く響きである。
瞬時に万人の涙腺を崩壊させるあの「技」を盗みたくて、かれこれ20年お世話になってきた。

やるからには、その地点を目指せ、というお叱りだったと思う。

・・でも、95パーセントの人にすら喜んでもらえないのもだめなんじゃなかろうか・・
と今も思う私はまだまだ師匠の境地には程遠い。

決して丈夫とはいえない先生のお体のことを考えると、結局一年間、タイミングが合わなかったこともありレッスンにはうかがえませんでしたが、春になり暖かくなったら、うかがうことをお約束しています。

その時のお叱りを楽しみに、また精進するのみです。

・・・・・

・・今、ハタと気付きましたが、植村先生を始めとし、甲野先生、岩城先生との素晴らしいご縁をいただけたのも「フルート・音楽」をやっていればこそでした・・・

素晴らしいギターでサポートしてくださった共演の宇高さんとだってそう。

まさに灯台下暗し?

「音楽とはコミュニケーションである」

という言葉を今、改めてかみしめています。

そして、いつか、必ず 「発売記念コンサート」をやる、と誓う。

プログラムも実はもう考えた。

写真は、ずっとリビングに飾ってあった絵葉書。

水月観音像と雲中供養菩薩像

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