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2020年06月23日10:11

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新潮日本古典集成新装版「三人吉三廓初買」を読んで


照る日曇る日第1415回

河竹黙阿弥の傑作を今尾哲也氏が校注、解説されていて隅々まで読み応えがある。
親の因果が子に報いる人世因果論の究極を抉る黙阿弥の超問題作世話物狂言である。

真正面から近親相姦を扱っている点ではソポクレスの「オイディプス」を想起させるが、本作はそこにとどまらず、3世代に跨る複雑怪奇な因果の相関を大展開している。

されど、和尚吉三が義兄弟となった、いずれも悪人であるお坊吉三とお嬢吉三の生命を優先して、実の妹であるおとせとその婚約者の十三に因果を含めて、冷然と殺してしまうのかは、いくら考えても納得いかないずら。

   栄達と富裕を目指し代議士になりたる男女のいきざまを見よ 蝶人

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