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2020年06月05日09:09

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1400

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1400       

白井聡 「武器としての『資本論』」

この気鋭の社会学者の本を読むのは、これが
4冊目かな。今回は、なんとマルクスの
「資本論」の解説だ。と聞くと一歩も二歩も
引いてしまう人が多いと思うが、この書は
分かりやすく書かれている。これまで僕が
読んだ氏の本の中でも一番平易な口調で
著されている。

実は僕は遥か昔の学生時代に「資本論」を
読んでいる。なので、マルクスの資本主義の
分析は分かっているし、白井氏の説明も、
初めて資本論を読んだときを思い出しながら、
ウンウンとうなづきながら読んだ。ただ、
最初に僕が読んでから50年近く経っている。
世の中進んでいるのである。

資本主義は50年の間に変容してきた。具体的には
新自由主義なるものが1970年代半ばあたり
から幅をきかせ、実際に英国のサッチャーを
はじめ日本の小泉さん(と言うよりか竹中さん)
などが政策の中に取り入れた。

簡単に言うと、新自由主義は資本主義の進化形で、
所得格差はますますひどくなっている、ことを
テクノロジーの発展などをからめて著者は主張している。

全体が14講の構成となっており、僕は個人的には
最後の第14講「こんなものが食えるか!と言えますか?」
を面白く読んだ。生き続けるための最低限の所得
とはどのくらいなのか、その関係で限られた
所得の中で何を食べることができるのか。
おいしいものを食べたいという欲求が奪われ、
廉価なファーストフードに舌が慣れてしまう。
人間として大事な感性が鈍化させられる。個人の感性が
鈍化すれば集合としての文化も失われる。
僕らは今の生活に飼いならされてはいけないのだ。

かくして難解な「資本論」は我々の日常生活と
直結している!

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