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2019年12月24日18:27

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映画「坂道のアポロン」

1966年の長崎県佐世保市。
米軍基地がある街には米兵向けの店が軒を連ねている。

西見薫(知念侑李)は、親を亡くし、東京から親戚があるこの佐世保の地にやってきた。
親戚宅での暮らしは肩身が狭く、得意のピアノを弾くときだけが心安らぐひととき。

薫の転校先の「佐世保東高校」は、長い坂を登らねばならない。
「いまいましい坂」とつぶやく薫。
ところがここで薫は「運命の出会い」をする。
屋上の入り口に寝ていた不良学生の千太郎(中川大志)。
そしてクラス委員の律子(小松菜奈)。可憐な律子に声を掛けられ、薫は一目で恋に落ちる。

クラシックのレコードが買える店は? とたずねる薫に律子は、
「そしたらウチに来たらよか」。
いきなり自分の家に男子を誘うのか!? と薫はびびってしまうが、連れていかれた先はレコード店。「ここがウチの家」。
さらに律子は薫を、店の地下へ連れて行く。そこにいたのは千太郎。
ふたりは幼馴染だったのだ。そして千太郎はいきなりドラムをたたき出す。
それはジャズのリズム。
「ふたりのセッションが聴きたか」。律子の言葉に、クラシックしか弾いたことのない薫は、あわてて、千太郎のドラムに合わせて、即興で旋律を探しはじめる。
その日、すっかりジャズの響きに魅せられた薫は、律子の店でアート・ブレイキーの「モーニン」を買って帰る。

こうして三人はすっかり仲良くなった。
千太郎はアメリカ軍人とのあいだに生まれた孤児で、カトリック教会の前に捨てられていた。幼い頃、黒人の米兵にドラムを教えてもらい、それが彼の生きがいになったのだった。
律子を恋しく思う薫だったが、律子が、千太郎に想いを寄せているのに気づく。
ところが夏休みに3人で海に行った日、偶然出くわしたナゾの美女・百合香(真野恵里菜)に、千太郎は心を奪われてしまう。

千太郎は昔から慕っている淳一(ディーン・フジオカ)とジャズ・セッションすることもあった。淳一はトランペット。ときには律子の父・勉(中村梅雀)も加わってウッドベースを演奏。

東京で学生運動をやっていたという淳一には、どこかつかみどころのないところが。
そして、百合香は、淳一とつきあっていた。
そのことを知って、千太郎は荒れ始める。

薫、律子、千太郎と片思いの輪の中で、三人の関係もぎくしゃくしてしまった。
秋になり、薫と律子は文化祭の実行委員をやることに。どうもやりにくい。

だが、文化祭のロックバンドの演奏中、電気トラブルで停電になってしまったとき、その場を収めようと、薫はひとりピアノに向かう。流れてきたのは「モーニン」。
そして呼応するように、千太郎がドラムでこたえてセッションが始まった。
会場はの高校生たちは大盛り上がり、そしてそんな二人の姿に律子はただ聞きほれていた。

クリスマスに、教会で薫と千太郎は演奏会を開くことになっていた。
その直前、律子をスクーターの後ろに乗せて走っていた千太郎は車にぶつかってしまう。
意識不明の律子だったがなんとか意識を回復。
千太郎も重傷だったものの、申し訳なさからなのか、その日から彼は姿を消した。

10年後ー。
薫は東京で医師として働いていた。デスクにある写真は高校時代、律子、千太郎と三人で撮ったものだった。
子どもの入院患者にねだられると、ピアノでジャズを弾いてあげる、気さくな医者だった。
そして病院に検診にやってきた淳一と百合香夫婦に、久しぶりで会う。
百合香は、1枚の写真を指し示す。佐世保の友人の結婚式の様子だ。そこに写っていた人物は・・
薫は佐世保に向かい、かつての母校で教師となっていた律子と再会。
そしてふたりで小さなカトリック教会をたずねると、そこにいた神父は、忘れられない千太郎の姿だった。


この映画は昨年の春に公開されたもので、TSUTAYAでブルーレイをレンタル。
実はわたし、あろうことかタイトルを「坂道のアポロン」じゃなくて「アポロンの坂道」と勘違いしていて、「あ行」の棚を探し回っても見つからず、置いてないのか・・とがっかり。
しばらくしてまたTSUTAYAに行ったとき再度探しながら、念のためタイトルをスマホ確認したところ、「坂道のアポロン」だと思い至り、改めて「さ行」の棚で探してすぐ見つかりました(;´∀`)。

映画では「佐世保東高校」となっているが、これは実在の「長崎県立佐世保北高校」がモデル。
そもそもは、わたしの大学時代の友人がここの出身で、昨年の夏に彼女と久しぶりで会った時に「『坂道のアポロン』ってマンガ読んだことある?ウチの高校がモデルなんだよ。最近、映画化もされて、北高でロケもあったよ」と聞かされたのがきっかけ。
それでまずはネットカフェに通って、小玉ユキさん原作の「坂道のアポロン」を読破。
おお、これは面白い! 転校生、幼馴染、音楽での仲間意識、と題材はよくあるパターンながら、1966年と言う時代設定のせいか、高校生たちの感情の揺らめきがみずみずしくて、いわば「胸キュン」の物語だ。

そして、映画もいつか見よう見ようと思いつつ、ずっと見ないままになってしまっていた。タイトルの勘違いもあって、ようやく今回、映像化のほうも見ることが出来ました。
マンガではジャズの演奏シーンは、もちろん画面の描写だけだが、映像化によって、音楽が実際に奏でられる、というシーンが音で具体的にわかって、こういうのが映像化のメリットだと思った。
映画は原作との細かな相違はあるものの、ほぼマンガのイメージ通り。
薫、律子、千太郎も原作の感じをそれぞれの俳優がよく演じていたと思う。
友人によれば、出身高校は勿論、文化祭で演奏するシーンも、出身中学の体育館が撮影に使われているのだとか。
じぶんの母校がこうしてマンガや映画に登場するなんてうらやましいなあ(*^^*)。
映画を見ながら、友人もこの坂を上って高校に通ったんだなあ、とちょっと感慨がありました。

なお、モデルになっている「佐世保北高校」は、村上龍、佐藤正午の出身校でもあります。
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