★洋ちゃんの読観聴 No. 1328
映画 「運び屋」
クリント・イーストウッド監督の最新作。しかも彼は
主演で、監督&主演というのは約10年ぶりと思う。
これは実話に基づく映画で、90歳の老人が麻薬の
"運び屋”という話。
老人は元々は花き農家でそれなりの成功を収めて
いたが、IT時代に入りネット販売に押され破産して
しまう。
私生活では、仕事最優先だったため、とっくに妻と
別れているし、娘からは無視されている。孫娘とは
比較的良好な関係を保っていて、彼女のパーティーに
招かれフィアンセを紹介される。しかし、元妻や娘
からは、今頃になって何?と冷たい視線を浴びる。
そんな孤独な彼が麻薬の運び屋になる。麻薬組織
からすれば、90歳の老いぼれがドラッグを運ぶ
なんて誰も思わないと考え彼を雇ったが、これが
大正解。老人は仕事をこなし、運ぶ量も金額も
増えていく。
だが、麻薬捜査当局が、やり手運び屋の存在を
つきとめ、少しずつ迫っていく・・・。
この作品のテーマは家族と老いだ。仕事に明け暮れ
家族をないがしろにしてきた主人公は、人生の
最後で家族の大切さを知る。また、犯罪に手を染めた
ことは悪いことに間違いはないが、仕事を得た
主人公はそれを楽しむ。
人生に正解はないのかもしれないが、高齢者はもとより
若い世代にとっても考えさせられる良い作品だ。
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