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2017年08月02日21:05

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ハルトマン:交響曲第4番

第1楽章、音楽的には穏やかだが、切れそうなほど強い緊張感に満ちている。地域的な戦闘が世界大戦へと拡大し、一般人も兵卒として狩り出され、有無を言わさずに戦いに巻き込んでいく社会に暗雲は勢力を強めて圧し掛かって来る。希望を見つけられず右往左往するだけの民衆の悲痛な叫びが充満する。フィナーレでマーラーに似たフレーズも聴こえるが数倍苦しそうだ。耐え切れない痛みに気を喪うように音楽は静かに上へ突き抜けて消え去る。

第2楽章、威嚇的な半音進行がひたすら突き進むスケルツォ楽章。それぞれのパーツが速度を落とすことなく前進しながら複雑に絡み合い、合体してムカデのような巨体を曝け出す。触角は火花を放ち、尾脚は2対の鎌のように交差する。悪夢のような状態だが、ファシズムの大波に乗れば安泰と考えて恭順すれば行き着くところは破滅しかない。不協和音のぶつかり合う壮絶な推進力に怯むな。正義は必ず勝つ。平和は成り行きで築かれるわけではない。今幸せだと感じるなら、それは過去の多くの犠牲の上に築かれたと言うことだ。そして、歴史は繰り返す。高まって来た緊張感が最後の最後で萎むように終わるのが納得できない。

第3楽章、冒頭でピツィカートの上に上旋律が現れる。この苦しさに悶えているような旋律が主題となって、変奏形式で展開する。痛みと疲れを伴った追悼曲だ。曲想は暗色に塗り込められて大きな変化はない。内省的な悲しみから祈りが生まれ、憤りが沈静化して消えて行く。中国の古典「論語」をドイツ語翻訳で歌う弦楽とソプラノ独唱のための交響曲から声楽が入る第3楽章を外し、新たに書かれた弦楽合奏のアダージョ楽章と差し替えた改訂版。当初は日本の帝国主義の犠牲となった中国の人々への鎮魂歌的な作品とて書かれたため、東洋的な色彩が濃いと言われる。その点に関して、僕には読み取れなかった。《Karl Amadeus Hartmann(1905.8.2 – 1963.12.5):Symphonie Nr. 4 für Streichorchester》











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