第7曲「夕べの歌」、クラリネットがぼんやりと霞んだ埃っぽい夕べの情景を描く。人っ子一人いない荒涼とした大地が無限に続くかのように思える。時間が止まった世界に取り残された寂寥感が胸を締め付ける。月の上に立ったと言われても信じるだろう。第8曲「テ
オペレッタ「ヴェロニク」の中の愉快な二重唱。タイトルは「ろばに揺られて」と訳されることもある。ろばと言えばグローフェの曲を連想するが、丁度あんな感じだ。天真爛漫なお嬢様はロバに乗ってご満悦だが、ロバの方はくたくた。その心境の違いが軽快なタッ
リルケは晩年ヴァレリーの詩を訳したりしながら、自作のフランス語詩をいくつか書いている。膨大なドイツ語の詩に比べたら僅かだが、この「バラの歌」は特に美しい。しかし、難解で読んでいてもすぐにイメージが浮かぶようなものではない。ローリゼンが合唱曲
冒頭の和音を爪弾くように叩く導入部がとても印象的だ。調性的音楽ではあるが全音階の音の積み重ねが次にどう出てくるか予測がつかないまま平行移動するのでかなり落ち着きが悪く感じる。極めて荒っぽく演奏するように指示されているところにも旋律をよりは意
ミュージカル「ピーターパン」のために書かれたナンバーのひとつ。子供のための上演を意識した可愛い歌だ。当初本格的なミュージカル公演になる予定だったが、当時の出演者の主要キャストの声がバーンスタインの要求する音域に合わず、数曲のナンバーをカット
第1楽章、弦楽合奏による明るい序奏で始まる。うきうきする気持ちが伝わって来る。管楽器によって「神の御子は今宵しも」の旋律が被来る。ホルンによる主題はまさに栄光の光が地上を照らすように堂々と吹き鳴らされる。主題は何度も繰り返されるが、次第高揚
ジュベアはケープタウン生まれのイギリス人作曲家。作品は交響曲やオペラなどほぼ全てのジャンルを網羅して160曲ほどあるようだ。その中で一番有名なのがこの「松明」だ。イギリスでは、クリスマスシーズンの実用的な祝典音楽としてポピュラーになっているよ
「与えなさい。そうすれば、自分も与えられます。人々は量りをよくして、押しつけ、揺すり入れ、あふれるまでにして、ふところに入れてくれるでしょう。あなたがたは、人を量る量りで、自分も量り返してもらうからです。」(ルカ 6:38)昔、子供が6人いる貧し
アイヴズ自身の作詞によるクリスマスキャロル。実はもうひとつアイヴズの養女の作詞によるクリスマスキャロルがあるようだが、録音は見つからなかった。この曲は歌詞の第1節の「ベツレヘムの小さな星よ」を副題としている。アイヴズの歌曲は200を超えるが、レ
第1楽章「猛烈に強要されて」、執拗に鳴らされる太鼓の響きがとても不気味だ。安っぽいSF映画で巨大怪獣が街中で大暴れしている最中成すすべのない人たちがあたふたと逃げ惑う場面にでも流されそうな音楽だ。手に汗を握る恐怖の9分間。中間部にうろたえるばか
プロローグ、弦楽のみで数百年の眠りから覚めた様子を描く。どんよりしているのは頭の中と自分を包む静寂と薄暗さの故だろう。気持の不安と混乱が続くなか、大きなクライマックスを作り、クラリネットのロングトーンに導かれて弦楽が暗黒の向こうへ誘うような
低弦の陰湿な響きは見通しの利かないほど濃厚な朝靄を表しているようだ。そこに正体不明の海鳴りが溶け込んでいて一層重苦しく感じる。複雑な沿岸線を洗う波音や船の走行音なども複雑に絡まっているのだろう。ガスペ半島の海岸線は複雑な凹凸があり風が巡ると
第1楽章、冒頭で太鼓が打たれるが最弱音の波紋のような感じで気付かないだろう。すぐにミュートを付けたトランペットが滑稽な音色で登場する。オーケストラが参入するとジャズ風の流れになる。中間部ではサクソフォとの掛け合いを楽しみつつ最高潮に達した所
第1楽章「幻想曲」、落雷のような爆音の中で弦楽とオルガンの不穏な表情の音楽が開始する。トランペットの音に乗って夜明けが訪れ音楽は高揚する。地上の不信仰と無秩序に対して神の怒りが地に下ったのかのような響きを立てて終結する。第2楽章「コラールとイ
ホルンの勇壮なファンファーレで音楽は開始する。迫り来る怪物に怯えるアンドロメダの不安が弦楽合奏の中で揺れ動いている。容赦なく打ち寄せる岩に鎖に鎖で縛り付けられたアンドロメダに向かって化け鯨がアンドロメダの美貌に舌なめずりしながらなぶりものに
「この一事を忘れてはならない。主にあっては、一日は千年のようであり、千年は一日のようである」(IIペテロ3:8)聖書には忍耐という言葉が何度出てくるだろうか。この忍耐できない原因のひとつの解答が冒頭の御言葉に示されている。神と人間との時間の尺度
第1楽章、ヴィオラの主題が空高く翻る。風の乗って踊る凧のような気持ちよい開放感が存在感の厚い響きの中に窺える。チェロが伴奏形を弾いていることが多いがチェロが歌う時にはヴィオラがサポートに回っている。第2楽章、前から繋がって演奏されるメヌエット
金管のファンファーレ風な咆哮で序奏が始まるが沈んだ音色だ。悲劇的な結末と同時に太陽を運ぶ馬車が空へ昇る雄大さを暗示しているようだ。弦による速いテンポの第1主題が幾度か繰り返される。疾走する馬の強靭な動きと御するファエトンの手綱さばきを凛々し
サティも習慣的な散歩に親しんだ音楽家のひとりだ。外気に触れながら見た景色、聞こえた声や音から得た詩情がどれほど楽曲の中に反映されたことだろう。冒頭のリズムの中に様々なことに思いを巡らしながら田舎道を、あるいは町の歩道を歩むゆっくりした足どり
子供のための歌だから最初から変わった雰囲気がするのも納得できる。でも効果音もいろいろで大人でも楽しめる曲だと思う。アンリ・デスは1940年12月14日、スイス生まれの歌手。長い間子供のための歌を作詞・作曲、歌い続けたのでフランスでは幅広い年齢層の人
「序奏」、ティンパニとチュブラーベルによる楽しさ満開の夜会が始まる。手際よく気分を盛り上げて祝砲の代わりにシンバルを鳴らす。この導入の音楽はおそらくスミスが創作した箇所だと思う。間をおかずにクラリネットのロングトーンによって「久しく待ちにし
第1楽章、いきなり大活劇の大詰めに飛び込んだような雰囲気がする。音楽は勢いがあってとにかくカッコいいのだ。捕らわれの身となっているヒロインのもとに駆けつけ、あわやという瞬間に敵陣の中から連れ出して道を切り開きながら逃亡を図るようなスリルもあ
花を貰ったり、手紙を貰ったりするのは誰にとっても嬉しいもの。そんなちょっとした期待感が冒頭のリズムに表れている。贈り主は不明のようだが、内心あの人だと心当たりはあるようだ。ラロの歌曲は滅多に聴く機会はないけれど、かなり有名な曲で、男声でも女
主は私の羊飼い。私は、乏しいことがありません。主は私を緑の牧場に伏させ、いこいの水のほとりに伴われます。(詩 23:1-2)詩篇の23編を暗誦しているクリスチャンは多いと思われる。それほど有名な聖書箇所でダビデが書いた主に感謝し賛美を捧げる歌だ。ど
第1曲「リオ・グランデ」、フルートが春の訪れを告げるように鳴る。何もない広大な大地を流れる水量豊かな川を映し、茫洋とした地平線が次第にくっきりと浮き上がる様子を幸福感に浸りながら眺めている様子がホルンや管楽器の楽しげな歌となって表される。民
冒頭から凄く楽しそうに音楽が流れ出す。デズニーのアニメ映画のような雰囲気がする。クラリネットの柔らかい旋律がセヴィリアの朝の情景を描きオーケストラ全体に広がる。静けさの中にも待ちに待った日を迎えた興奮が隠せないようだ。町の喧騒が感じられと同
敵地に向かう勇ましさと空を駆ける爽快感が混じり合った出だし。戦闘機のプロペラが快調な音で回転する。小刻みな不協和音のトレモロが果てしなく続き、ぞくぞくする気分の高まりを覚える。打楽器の爆音はロケット弾が地上で爆発しているのだろうか。一旦静ま
日本では学校のチャイムでお馴染みだが、本家本元はロンドンのビッグベンの鐘の音。鐘の音がロンドンの夕暮れを覆う様子がオーボエによって描かれる。ピチカートが時を告げ、帰宅前の人々のせわしさが感じられる。続いてフルオーケストラのやかましい喧騒。交
第1楽章、霧の深いロンドンの夜。切り裂かれ臓器を引っ張り出した女性の惨殺死体が次々に見つかって世間は騒然としている。40代の娼婦が狙われているから安心だとは言えない。5番目に発見された被害者は20代だった。どうしてそんな時に女ひとりで出歩か
第1楽章、チェロとティンパニのどよめきの中から漏れる苦渋の吐息。手を差し伸べるかのように弦楽五重奏から五部合奏に膨らんで優しく迫って来るが悲劇的な重さは消えない。突然爆音が闇を劈き、オーケストラによる狂気の行進曲が開始するやすぐにすぐに打ち