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日記一覧

2007年にサイトウ・キネン・フェスティバルで初演された正真正銘の21世紀の歌曲集の一編だが、その後デュティユー自身が補筆して最終稿としたもの。両者の大きな違いは第5曲が追加された事、その他の詳細は分からない。その第5曲目がこの「酔っているが良い」

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墓には木が寄り添っている、波の悩みは岩が聞いてくれるのに私にはひとりぼっちだから誰にも何も打ち明けることができないと言う寂しさが滲み出てくる暗い歌だ。辛すぎて音楽も単純で控え目だ。こういう歌は素朴なほど痛々しさが強く表れるようだ。詩はゴーデ

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サン=サーンス:化石
2016年08月29日21:11

石になった生物、化石とは良く考えられた訳語だ。印欧語での起源を見ると地中から堀起こした物と言う意味合いで使われ、時代を経て転訛した。どちらも言いえて妙だが日本語の発想の方が優れている。冒頭に自作の「死の舞踏」の旋律を引用したほか、良く知られ

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耳馴染みのある出だが有名なシャンソン「シャンゼリゼ」の英語ヴァージョンではない。実はイギリスのバンドが1969年にリリースした歌。同名の通りは他にもあるが、歌われているのはロンドンのウォータールー通りなのだろう。この歌を聞いたジョー・ダッサンが

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初めの前
2016年08月28日09:12

「初めに、神は天地を創造された。」(創 1:1)いつ誰が何をどうしたか、実に端的な文章構造だ。初めに、と書かれている。初めの年代は分からない。初めがあれば終わりもあるということだ。現代人の多くは地球が永遠に自転と公転を繰り返し、太陽が永遠に輝く

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死の床にあるような悲しい別れ。愛し愛され、子供も生まれ、成長し、やるべき事はすべて果たした。十分に楽しんだ人生に悔いはない。分かれるのは悲しいけれど、見送られて死ねるならこれ以上の幸せはない。今まで、いつもありがとう。長い年月連れ添った老夫

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「内匠頭切腹」と「赤穂藩取りつぶし」の一報を国許へ届けるために早駕籠は命を賭けて走り抜けた。600キロの道程を5日で走り抜けたと言われている。交代要員を定宿ごとに用意していたようだが、それにしても人間業ではない。駕籠に乗っている使者には楽な旅に

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バーンスタインの「ミサ曲」は17部構成、いくつかの部はさらに細分化されたナンバーが並んでいるので全曲を聴きとおすと2時間くらいかかる。ほぼ全曲歌だが、器楽だけのナンバーやナレーションも入る。ロックやジャズ、ゴスペルや賛美歌などあらゆるジャンル

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第1楽章「威厳を込めて」、幾分ショスタコーヴィッチ風に意気揚々と開幕。管楽器は威圧的だが弦楽は爽やかな風に乗って戦闘気球が飛び立つ。敵軍は弓矢で狙って来るが、負けじと水風船爆弾を次々と投げ落とす。勝敗の分からないまま乱戦模様となり両軍ともさ

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ル―セル:交響曲第1番
2016年08月23日21:08

第1楽章「冬の森」、見通しの利かない濃い霧の森にさまよい込んだような不安感を不気味な音色の木管と小刻みな弦が掻き立てる。高まる音に引かれるように次第に幻想的な色合いが濃くなる。オーボエにより薄暗さが強調され、そこに襲い掛かる突風にさらされて

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セレナードは愛する人の部屋の窓下でギターを片手に心の内を告白する歌を指すが、ここではドビュッシーの3歳になる娘が泣く子をあやすように人形の頭を撫でながら歌っているイメージが音楽化されている。ピアノはギターを爪弾くよう雰囲気を出している。ドビ

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ボブ・ディランの歌詞を用いた曲集「ミスター・タンブリン・マン」の第4曲目。武器商人たちを庇護する国家的戦争関与を批判する内容からするとコリリアーノの曲のほうが現代音楽の利点を利用して不気味さを拡大させている。歌詞の中の(*)はボブ・ディランの歌詞

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「わたしにとどまりなさい。わたしも、あなたがたの中にとどまります。枝がぶどうの木についていなければ、枝だけでは実を結ぶことができません。同様にあなたがたも、わたしにとどまっていなければ、実を結ぶことはできません。」(ヨハネ15:4)モーセが約束

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ドイツ流儀の挨拶とはどんな感じかと思って聴いてみた。ずいぶん物々しく始まる。高位の人を前に正装で構えたような姿勢をとっているようだ。ここまでが序盤で、オーボエの憂いのある挨拶が追従しハープまで出てきて堅苦しい雰囲気を一掃してしまう。ホルンに

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慎重に運指を間違えないようにスケールの練習に挑戦している初心者の苦労が滲み出ている音楽の運びだ。危なっかしい雰囲気もあるが緊張感を失わずに乗り切っている。無能なピアニストを皮肉ったとの解釈も出回っているが、プロでこの段階の人はいそうもない。

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第1楽章、中つ国皇帝が水遊びをしている情景風音楽。水がざわめいている。琵琶風の爪弾き、ラインの乙女たちと思いきや、能天気なトランペットの出現。イメージはいっぺんに崩れる。女官たちがそれぞれ意匠を凝らした水着で水中遊泳を楽しみ始める。後半で皇

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不気味な気配、浜辺近くまで鮫が入り込んでいる。音楽は警鐘を鳴らすようでもあり、危機感を尖らせて渦巻いているが気付く人はいない。水中を泳ぐ姿は音を立てない魚雷のようだ。海水浴客で賑わう浜辺にははどこまでも平和そのものの情景が広がっている。観客

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ピエルネ:昔の歌
2016年08月16日21:19

遠い昔からの呼び声に聞を傾けているような雰囲気で始まる。今の生活が辛いのだろうか。うなだれてとぼとぼ歩いている。中間部で気を持ち直して空を見上げて束の間の希望をみつける。それでも現実の重みを払拭できずに失意の中に戻ってしまう。懐かしい過去は

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ヴァイオリンの旋律だけに注目すれば古いスタイルの快活なヴァイオリンのための小品とも言える作品に仕上がっている。貴族の館に集うサロン音楽のひと時を想像してもふさわしい親しみやすい旋律に軽度の技量を盛り込んだ流れが窺える。ただし控え目に背景に溶

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ブレヒトの詩に共感してたくさんの歌曲を作曲した音楽家としてアイスラーは有名な人だが音楽の中に思想を反映しすぎたせいか実際に好んで聴く人はあまりいないような気がする。日本では林光がブレヒトの訳詩を基にした作品をいくつも書いている。この曲は要す

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最期の瞬間の救い
2016年08月14日08:41

「そして言った、『イエスよ、あなたが御国の権威をもっておいでになる時には、わたしを思い出してください』。 イエスは言われた、『よく言っておくが、あなたはきょう、わたしと一緒にパラダイスにいるであろう』」。(ルカ 23:42-43)ある人が自分はキリス

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マスネ:組曲第1番
2016年08月13日21:03

第1曲、低弦の歌で始まる。この動機がクラリネットからフルートへと様々な管楽器に受け渡されていく。空や鳥が、木々や人々が目覚めて朝の挨拶を交わす。そんな爽やかな日常の始まりのようだ。後半はフーガが展開する。打楽器も加わって一気にエネルギーがほ

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晩夏とも言える時期の情景なのか、物思いに耽ってもまだ侘しさを感じる季節ではない。葉が落ちてもそれは新しく生きるためのステップであって、終焉ではないという期待感が音符に命を注いでいる。そよぐ風に踊って、さらに自由に飛んでみたい。そんな思いにか

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旋律を受け持つフルートがロシアのだだっ広い農地の夜明けの情景を描く。旋律は管楽器、弦楽器に引き継がれる。ロシアの香りがする現代音楽として雰囲気は悪くない。突如管楽器が吠え始め騒然として来る。狂乱のお祭り騒ぎだ。「鉄工所」の作者と思えばなるほ

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グラズノフ:叙情的な詩
2016年08月10日21:00

オーボエのロングトーンに弦がかぶさって開始する。まさにだだっ広く何もないロシアの荒野を感じる。遠くには山陰があり、木立ちもあるのだろうがとにかく一面雪に埋まっている。中間部では雪の中から昔の思い出が飛び出してオーロラを見るように展開する。咽

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ケテルビー:月の光に 
2016年08月09日21:13

甘い弦楽合奏の背後にかすかに聞こえる鳴るチャイムのような音色が可愛い。月明かりのしずくが落ちてきて恋人たちの頭や肩に降って来る。体に触れるとはじけて暖かい空気がふたりを包んで一瞬同じ夢を見させてくれる。夢心地のワルツと言う雰囲気に酔いしれる

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ジョリヴェ:マナ
2016年08月08日21:06

第1曲「ボジューの男」、銅製の操り人形。田舎の小太りな男の人形のようだ。寡黙で人を寄せ付けないような雰囲気を感じる。無機質な現代音楽だが、意外に親しみやすさが滲み出ている。フランスの中東部の地域の人は地元のボージョレと同様に軽くてまろやかな

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序奏に続いていきなりカデンツァ風に始まる。7つの民謡を取りいれた作品ということだが緩急のバランスや歌と疾風の配置が見事だ。民謡に関しては何も分からないが、旋律を聴いていて中東のイメージを感じた。ハンガリーは紀元前から多民族が入り混じって住む

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価値のある存在として
2016年08月07日09:43

「二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。」(マタイ10:29)アサリオンというのは当時の最小単位の貨幣だ。旧約の時代ユダヤの人々は罪の贖いのために犠牲として捧

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Paris (パリ)
2016年08月06日21:14

パリを歌ったシャンソンは多いが、これもそのひとつ。変貌するパリを惜しむような感触が歌に滲み出ている。立小便をするのはユーゴのせいだと言うくだりはブリュッセルの市庁舎前の広場を世界でもっとも美しい所とヴィクトル・ユーゴが賞賛した事と関連するだ

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