不思議な調和を保つ音響空間に歪が生じ執拗な上昇グリッサンド表れる。音は衝突しクラスターとなり突如鳴り止むかと思えば再び動き始める。このかきむしるような痛みはどうしたことだろう。虚無の世界に有機的な空間を産み落とす苦しみだろうか。考えてみると
「まことに、まことに、あなたに告げます。人は、水と御霊によって生まれなければ、神の国にはいることができません。肉によって生まれた者は肉です。御霊によって生まれた者は霊です。あなたがたは新しく生まれなければならない、とわたしが言ったことを不思
第1楽章「導入と悲惨」、ティンパニーの連打による暗く、避けようのない運命に翻弄されるような序奏に次いですぐにソプラノがほぼ伴奏を付けずにシュプレヒメンテで歌う。感情を排除した苦痛の叫び。「私はただ座って世の悲しみ、抑圧と恥辱を見ている」この
第1曲「行進曲」、弦楽合奏による明るい出だし。行進曲には違いないがもっと和気藹々の楽しさを感じる。木管楽器に主題が受け渡されると一層ひょうきん者の雰囲気が強くなる。中間部で胸を張ってもさまにならない様子が窺える。冒頭の旋律に戻りピッコロ、シ
愛しさと思いやりに満ちた第1主題の柔らかさが存在しているだけで無条件に湧き上がる喜びを表現している。わが子をじっと見つめる子守歌のようだ。第2主題は少しきびきびとした感じで人生の波に呑まれない力を持つように励ましている。時おりピチカートを用い
フルートに提示された主題が楽器を変えて受け継がれていく。トランペットは弱音器をつけて華やかな響きを抑えている。暗い響きの中にも厳粛な雰囲気が覗えるのは国立戦没者墓地の奉献式という場所柄を考えると同時に国のために命を落とした兵士の霊を慰める意
訳ありのカップルの心中を扱った暗い歌。フランスの地方都市へ行くとカフェの上がホテルになっている所が割と多くある。普通に旅行者が泊まれる安宿だが、休息に利用する人もいるようだ。そこの従業員ともなればいろいろな手合いの客を体験し、中には思いつめ
スタッカート付きの八分音符が最初から最後まで飛び跳ねている。兎と亀の競走を連想した。調子に乗りすぎた兎は最後でこけて足首をくじいてリタイアしたようだ。マイペースで最後まで完走した亀はことさら自慢するわけでもなく優勝カップを手にする。終結の強
とても重々しい雰囲気で始まる。悲劇の始まりの予兆かもしれない。神秘的な場面は消え堂々とした音楽が愛の尊さを歌い上げる。オーケストラの壮大さにかけては波乱万丈の英雄伝にもふさわしいほど力がこもっている。燃え尽きる前の最高の輝きを放ち溢れ出る数
「次に、生き残っている私たちが、たちまち彼らといっしょに雲の中に一挙に引き上げられ、空中で主と会うのです。このようにして、私たちは、いつまでも主とともにいることになります。こういうわけですから、このことばをもって互いに慰め合いなさい。」(I
第1曲「ありがとう」、出だしは陰鬱で、クラリネットの旋律は途方にくれている感じ。金管が大仰に鳴り出す。感謝の表現としては凄みがありすぎて怖いかも。第2曲「彼はどこ?」、穏やかできれいな音楽。有名なアメリカ民謡「ヤンキードゥードゥル」が聞こえて
第1楽章、音楽の力強さと推進力から有名な「パシフィック231」の延長線上を走っている曲だと思わされる。2曲の作曲年代に7年の間があり、その間に幾多の作品を発表しているので直接的な関与があるわけではなくオネゲルの趣向なのかもしれない。不協和音を盛大
親元を離れる歌は日本にもいくつもありそうだ。新しい生活への期待に胸を膨らませながらも押し寄せる不安に凹みそうになる微妙なバランス、一度経験してしまう初々しさが消えてしまい二度目はなんとかなるさで済んでしまうから不思議だ。どこの国でも学業や仕
バルバラにしてはかなり珍しい素直にかわいい感じの歌。自然に触れると気持ちまで優しくなって、何でもないことが感動的に見える。愛だ恋だと熱唱するのもいいが、さりげなく気持ちを込めて歌われたら、それだけで幸せな雰囲気が生まれるだろう。作詞はバルバ
第1楽章、トランペットのファンファーレで始まるが、あえて外したような響きの楽しさに感極まる。似ているとは言えないが「兵士の物語」を連想した。主題は楽器を変えながら変容していく。ヴァイオリンのハーモニクスは宇宙遊泳を楽しむような不思議な感覚が
チュブラーベル系の金属打楽器のきらきらした分散和音の響きに乗ってティンパニーの強打入り、低音管楽器がずっしりした合いの手を返す。日本風に表現すれば風鈴の音色を楽しみながら四股を踏む力士だろうか。想像しがたいがそんな感じだ。ここから音楽は華や
第1曲「早朝のひと泳ぎ」、海に向かって駆けていく。穏やかな潮風と朝日が早く来いとばかりに見えない手を指し伸ばして誘っている。小さな子がスカートをはためかしながらぐるぐる回っているように水面が波打っている。まだ水が冷たそうだが、一歩足を踏み入
「心を尽くして主に信頼し、自分の分別には頼らず、常に主を覚えてあなたの道を歩け。そうすれば、主はあなたの道筋をまっすぐにしてくださる。」(箴言 3:5-6)ある所に学習障害の子がいた。ひとりでは何もできない、何か新しいことをする時には誰かの手助け
冒頭から蒸気機関車が力強く走る様子が音楽に窺える。鐘の音は何を表すのだろう。後ろに取り残された遮断機の警告音のようにも思える。時間の門が閉ざされる前に暖炉から突き抜けようと渾身の力で突き進んだが見えない時間の罠に捕らわれて宙吊りにされてしま
ホルンが勇ましい主題を提示する。主題は楽器を変えて次々と受け渡されながら盛り上がり、総奏の華やかなファンファーレに変貌する。騎士の槍試合の開始を告げるような雰囲気だ。突然に音楽は沈黙し、フルートの導入により穏やかなワルツが奏でられる。美しく
第1楽章、かなり堂々とした序奏はオペラの序曲としても成り立ちそうな雰囲気があり聴衆に期待感抱かせそうだ。主部に入ると第1主題が弦楽によって提示される。ベートーヴェンのエロイカの旋律と似ていると指摘する人が多いがそれはそれとして覇気があって気持
第1曲、坂道をすたすたと登り帰り道は階段へ回って数段ずつ跳び下りるような動きがユーモア、どこかくすぐったい感触の音楽だ。第2曲、眠気が冷め切らずに窓を開ける。朝はまだどんよりしているけどもう起きなくてはならない無情と矛盾が噛み合わない音を響か
鳥の鳴き声で音楽が開始する。朝の情景なのだろうが鬱蒼とした密林はまどろみの中にあり薄闇がさっと晴れることはなさそうだ。管楽器の茫洋とした響きに木々の寝息が聞こえそうだ。さらに日が昇りあたりがはっきりと見分けられるようになる。弦楽器の活発な動
第1楽章「楽器の音楽」、スネアドラムの激しいトレモロによって管楽器のファンファーレ風の旋律が導かれる。主題はさまざまな楽器に受け渡されていき、大きく盛り上がるが所々で打楽器の強打によって阻まれる。それでもすぐに起き上がる強靭さをみせる。やが
第1楽章、暗雲が立ち心はうめき声さえ発せずに痛みに耐えている。死ぬ気力さえ失っている。突如曲想が変わり戸惑う。抑圧された心が破裂して一気に怒りが飛び散ったのかもしれないが、すぐに無謀だと悟ったようだ。怒りの矛先は徐々に自分に狙いを定め始める
「愚か者。おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。そうしたら、おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか。自分のためにたくわえても、神の前に富まない者はこのとおりです。」(ルカ 12:20-21) もっと病なるものがあるそうだ。世間的
冒頭の主題はいかにも西部開拓時代を連想させるような何もない見渡す限りの平原を思い起こさせる。民謡の旋律を用いた変奏曲を背景にして列車がたくましく野を疾走する描写を巧み溶け込ませている。あまり目立たない曲だが鉄道ファンには喜ばれそうだ。ジョン
第1楽章、とても明るく気分の良い主題が初めに提示される。ひらひらと舞い落ちる木の葉で秋の訪れが近いのかと感じるような、それを心待ちにしているようかのように楽しさに踊っている。中間部はさらっと乾いた風が流れるようだ。夏を惜しむ気持ちが表れてい
永遠の時間の流れと無限に広がる空間が音楽的に描かれている。高音域でソプラノが活躍し乱すものが一切ない聖なる領域の情景を現しているようだ。山頂で日の出を待つときの気分に似ているかもしれない。地平線に最初の光が見える時に触れてはいけない清さに圧