mixiユーザー(id:16255101)

日記一覧

音楽は暗い雰囲気の中で亡き人を追悼する歌になっている。とは言っても30秒ほどの短い曲なのであっという間に終わってしまって特別な印象は残らない。「4つの小さなメロディ」の第1曲目。ドビュッシーの思い出に捧げられているが、用いられた詩はラマルティー

続きを読む

いきなりバッハのフーガの主題が3拍子で堂々と鳴らされるのでびっくりする。無伴奏ヴァイオリン・ソナタの第1番からの引用だ。ボロディンの初期の作品なのだろう。第1楽章を注意して聴いていると後年の作品に用いたフレーズの原型のような旋律がところどころ

続きを読む

揺籃期の最初の段階、混沌として形を成さない無限の広がりの中に声が生まれた。その声が命じると宇宙の誕生の神秘的な場面がスタートした。天地創造という大偉業にはおそらく天が裂けるほどの大音響が鳴り響いたのだろう。天と地が生まれる場面にたとえ人が立

続きを読む

エディ・コンスタンティーヌの歌はユーモアで語る人生訓のようなものが多いような気がする。単なるお笑いの中にきらっと光る真実に考えさせられることが多い。デュエットの歌が多いがこの曲は珍しくひとりで歌っている。1993年2月25日、ドイツ亡くなったコン

続きを読む

良家の令嬢ヴェロニクはある子爵と婚約するがこの子爵は名ばかりで貧乏な上にかなり遊び人として浮名の高いだらしない男。ある日ヴェロニクは婚約者の浮気の現場を目撃してしまい、懲らしめるために一芝居打つことを考えて、正体を隠して見知らぬ町娘に変装し

続きを読む

威風堂々第4番
2015年02月23日20:57

付点音符の特徴のある音型が繰りかされティンパニーが力強い合いの手を入れるように絡んで進行する。目立たないがスネアドラムの歯切れのよい音も活気を盛り上げるのに一役かっている。とても明るく弾んでいて気持ちの良い隊列行進が目に浮かぶ。トリオに入い

続きを読む

リョベート:聖母の御子
2015年02月22日22:07

タイトルを見れば分かる通りクリスマスの歌でカタロニア地方に伝わる古い民謡をギターソロに編曲した小品。キリストの誕生を祝う音楽は権威を象徴するような豪奢なものも多いが、これは単純で清楚な雰囲気が強い。飼葉おけに寝かされた人の子にふさわしい慈愛

続きを読む

「また、悪魔はイエスを連れて行き、またたくまに世界の国々を全部見せて、こう言った。『この、国々のいっさいの権力と栄光とをあなたに差し上げましょう。それは私に任されているので、私がこれと思う人に差し上げるのです。ですから、もしあなたが私を拝む

続きを読む

第1楽章、荘厳というよりは非常に緊張して恐れている雰囲気がする。ホラーのような怖さと違い、例えばモーセがシナイの山で神の前に立ち十戒の石版を貰い受けるときに感じたに違いない畏怖に近いものを感じる。完全なる清さの前に我が身の穢れがむき出しに見

続きを読む

初めてでは気付かないかも知れないが冒頭から「草競馬」の旋律だ。とにかく通常にはない大掛かりな編成でお祭り騒ぎを演出する楽しい曲。野原で馬を走らせる爽快感、それを眺めながら火を囲んでのバーベキュー。日常の苦労を忘れるようなそんな情景が描かれて

続きを読む

クルターグ:幻想曲風に
2015年02月19日21:32

ポツンポツンとひそやかに音階を下ってくるピアノの単音に打楽器が絡んでくる。宇宙の深淵を探るような不思議さと羨望。ハーモニカの登場で次の場面に転じる。威嚇するような激しさでそれぞれの楽器がてんでばらばらに鳴っているように感じるがひとつの強い方

続きを読む

お針子と隣の家に住む詩人の恋の物語、全く同じ設定の有名なオペラがあるが決して二番煎じではない。この主人公のアリアはモンマルトルのアパートの部屋からパリの街を見下ろして恋の始まりの嬉しさと不安を見事に歌い上げている。パリに生きる庶民の姿を正直

続きを読む

De la tendresse (優しさ)
2015年02月17日21:13

日本ではどれほど知られているのか分からないが、いまやフランスのポピュラー音楽界に大きな足跡を残し確固たる人気を得ている歌手アリス・ドナ。この曲は70年代終わりの頃に発表されたバラード風の歌で、ちょっと古めかしい感じもするがタイトルの通りに優し

続きを読む

第1部「光」、光源の力をフォルテシモの和音で印象付けて、光の拡散を上昇するアルペジオで表現している。遅れて登場する第2ピアノが下降するアルペジオで交差し微細な火花を生み出す。まばゆい光の饗宴を楽しめる。第2部「影」、非常に遅いテンポでささやく

続きを読む

第1楽章、非常に暗い表情のヴァイオリンがリズムを刻むだけの伴奏に乗って切々と悲惨な状況を訴えている。大太鼓が綱から放たれたような一撃を打ち込むとオーケストラの動きも活発になる。高揚して大太鼓を交えてさらに大きな山場を盛り上げると急速に鳴り止

続きを読む

常識はずれの救い
2015年02月15日08:24

「キリストは、私たちのために呪いとなって、私たちを律法の呪いから贖い出して下さった。聖書に、『木にかけられる者は、すべて呪われる』と書いてある。」(ガラテヤ 3:13)親から勘当された人がいる。「今後一切お前の人生に関与しないし連絡を取ることも

続きを読む

ラッブラ:交響曲第3番
2015年02月14日20:49

第1楽章、イングリッシュホルンによって醸し出される雰囲気はシベリウスの音楽を想起させる。主題は大きく盛り上がり華やかに展開するが次第に暗雲が漂い始め重くなってくる。打楽器の連打音にも避け得ない運命の時が迫っているような緊迫感を覚える。コーダ

続きを読む

ゴドフスキー:ガムラン
2015年02月13日21:36

どこか日本の古い童謡のような雰囲気を感じないだろうか。日本人の源流は南方ジャワの方からたどり着いた一団なのかもしれないと一瞬幻影に浸った。ガムランの起源はそれほど古くはないのでこじつけただけで学術的論争に参与する可能性はない。それにしてもこ

続きを読む

音楽からは明るく笑い転げる若い女性の雰囲気を感じられなくもないがタイトルの「女学生」は誤訳だとされる。原語のestudiantinaはスペイン語で学生たちが意匠を凝らしてマンドリンやギターを抱えて町を練り歩き学費を補うためのカンパを募る音楽隊を意味した

続きを読む

第1楽章、清流に張り出した樹の木陰がゆれているような平穏な情景が木管楽器の柔和な響きの中に見えてくる。めったに人が訪れることのない寂しさと神秘的な美しさが半音階的な流れの中に描かれている。とても美しいが変化に乏しく冗長と感じるかもしれない。

続きを読む

ヴァイオリン独奏で密やかに舞う鳥の様子を描いているのだろうか。すぐにオーケストラが背景を色濃く展開し、鳥は自由な心を喜びに満たして空を駆けまわる。夜空にそこだけがスポットを浴びたように煌いているのはきっと幻影だからなのだろう。忍び寄る寂しさ

続きを読む

ドホナーニ:交響的瞬間
2015年02月09日21:30

第1曲「カプリチオ」、勢いよく水が噴出すようなフルートの動機に命の溌剌とした輝きを覚える。メンデルスゾーン風の流れが夢のひと時へ誘う。第2曲「ラプソディー」、イングリッシュホルンの牧歌的な旋律で音楽が導かれる。夜が明けるような繊細な色合いの変

続きを読む

人の死に関わる歌のわりにはあまりにも淡々としているような気がする。死の訪れに保留事項は何もない。美しさや経歴などは人の目には重要でも誰も時の流れは抗いようのない力ですべてを制する。この世の人生には限りがある。だからいとおしくひときわ美しくも

続きを読む

キリストにある自由
2015年02月08日08:40

「しかし、人は律法の行いによっては義と認められず、ただキリスト・イエスを信じる信仰によって義と認められる、ということを知ったからこそ、私たちもキリスト・イエスを信じたのです。これは、律法の行いによってではなく、キリストを信じる信仰によって義

続きを読む

「序章」、これ以上暗くなりようがないほど陰鬱な雰囲気は尋常ではない死を迎えた犠牲者を弔うためのものだろうか。墓穴吸い込まれそうな、自分の目を疑うような凄惨なイメージを投影している。「変容」、ポツンポツンと歌を忘れたピチカートが痛みを抑えて主

続きを読む

邦題「白い恋人たち」の方が原題よりはムードがあって音楽にもふさわしい気がする。1968年グルノーブルで開催された第10回冬季オリンピックの公式記録映画のメイン・テーマ曲としてフランシス・レイによって作曲された。2月6日の開会式から18日の閉会式に至る

続きを読む

柔らかい日差しと輝く野原が見えてくるような出だし。平和そのものなのに哀愁を感じている乙女心の複雑な心境。羊が群れている。絵に描いたような穏やかな田園でもそこに住んでいる人には必ずしも楽園ではない。彼女はいつか恋人と旅に出る夢を見ているのかも

続きを読む

クセナキス:シナファイ
2015年02月04日21:24

一種のピアノ協奏曲ではあるが狂気の沙汰も極まれり、音楽的な秩序を放棄しピアノは軋みオーケストラは断末魔の苦しみにのた打ち回っているような雰囲気を感じる。不協和音の連鎖、テンポや音色、強弱の変化は尋常ではなく聞き終わった時にようやく身を硬くし

続きを読む

第1楽章、尽きない命の精気が迸るように噴出している。マラソンの後に疲れよりも先に爽快感を味わいながら汗を拭くような、これが若さの実感だろう。第2楽章、この悲哀感がこもった楽章がとても美しい。中間部で魚を素手で捕まえて喜んでいる顔が浮かんだ。冒

続きを読む

賑やかな出だしで東洋風の旋律が異国風でありながらも日本人の感性では古の日本ならありえる響きを併せ持つようにも感じ取れる。ヴァイオリンの主旋律はもの悲しい。中間部は一転して物静かなアダージョ楽章。雅楽にありそうな音色に怨霊的な血なまぐさい背景

続きを読む