劇的な開始をする間奏曲。すぐに心地好いワルツに変わり夜風を受けて楽しむゴンドラの川下りのような場面を想像しながら聴いた。冒頭の力のこもった旋律に戻り堂々と曲を締めくくる。場面の転換の音楽として傑作とまではいかないが、悪かろうはずもない。オペ
元々はエリントン楽団のために書かれた曲。発表1年後に歌詞を付けて歌われてからヒットし、賞を取った。歌のないジャズの名曲はたくさんあるが、歌で注目を引くのが手っ取り早く万人に浸透するようだ。タイトルの通りに深く沈んだ歌だが暗くはない。たとえ側
心が浮き立つような流麗な旋律で若く純真な恋心が描かれている。表に表れる情熱はないが内側で燃える火が押さえきれずに高まっている様子が感じられる。フォーレの初期の歌曲だが清々しい情熱がとても印象的だ。詩の中の「僕とあなた」は便宜的な訳で、どっち
第1楽章、ひな鳥が羽をバタバタさせて何とか飛び立とうとしても少しも体は軽くならないし、風にも乗れそうもなく戸惑っているような情景を連想した。それにしてはのたうちまわるような苦しい冒頭の雰囲気は過剰すぎる。第2主題が可愛い。それでもめげずに何度
ピアノの伴奏の流れはまさに海辺を洗う子供たちの未来を祝福する穏やかな波のようだ。世界の終わりの日かと勘違いしたが文字通り果てのない世界だ。時間的にも空間的にもそこは子供の夢が叶う世界であってほしい。大人の押し付けではない、子供の知恵にも学べ
マイク・ブラントに関してはいろいろ書いてきたので追加事項はない。この歌は人種差別的な痛みを訴えたもののようだ。戦後難民収容所で知り合ったポーランド系ユダヤ人が結婚し、約束の地パレスチナで幸福な家庭を築く夢を抱いてイスラエルに向かう船に乗った
売れない歌手の苦労話しのような内容だ。自叙伝的な歌なのかもしれない。突き放したような歌い方がちょっと気になるが、シャンソンのイメージとはちょっと違う異邦人的なフランス人の雰囲気はむしろアメリカで好かれるのではないだろうか。ヴェロニク・サンソ
「これは、わたしの契約の血です。罪を赦すために多くの人のために流されるものです。」(マタイ 26:28)キリスト教徒は新約聖書を拠り所とすればいいのであって、旧約聖書は読まなくてもいいと思っている人も一部にいるようだ。とんでもない発想で根本的に間
第1曲「もがき苦しんで」、1941年6月、ナチス軍がロシアに侵攻し奇襲攻撃をかけた。後に独ソ戦争と呼ばれる戦いの開幕だが当初からロシア軍は大敗を喫した。疎開先でこの急展開を知ったプロコフィエフが即書き上げたのがこの曲だが怒りと不安が交差してかなり
とても神秘的な音に満ちた終楽章。ここでは楽器の音色の模倣を離れて徹底的に電気的処理をされた合成音の可能性に焦点を絞ったようだ。とても言葉で表現できない音色だがあえて言えば静寂なクリスタルの世界における音声の創世記のような雰囲気を感じる。人は
タイトルのSpectreをどう訳したものか悩む。素直に訳せば幽霊となるが、悪夢や脅威が感触として伝わって来るニュアンスを持つ。分光学的な意味合いでとらえても音楽の現代的な表現にマッチする。作品はアルト・フルートの音色に触発されて生み出された非物質的
第1楽章、津波にさらわれて一瞬のうちにすべてが流されてしまった事態を頭が把握できていない。低弦の重いうめきの中に現実を受け入れられない苦痛を感じる。管楽器が加わって暴れまわった凄まじいエネルギーを再現する。押し流す破壊力は管楽器に、水の引く
第1曲、構成的には中間にミュゼットを挟んだガヴォットの形を取る。冒頭からどことなくずれた感触が面白い。小太鼓のリズムに乗って粋がって練り歩いている子供編成のチンドン屋を連想した。笛の聞かせどころを詰め合わせたようなミュゼットに繋がるが、これ
クラリネットが不安な気配を異国風の旋法による旋律で奏でると弦楽器群に受け渡す。ヘロデは王座への執着心からユダヤの王の出現の預言の成就を恐れていた。東方から3人の王がキリストの誕生を知り、祝いの品を持ってベツレヘムを訪れた。旅に要した時間を計
とても怪奇な音楽が展開する。殆ど魔界だ。ここでもホルストは悪戯をしている。冒頭でG - Es - A - Hの音列を並べている。これはGustav Holstの署名だ。魔法使いの弟子を思わせるリズムなど原曲の方がはっきりしているが、冨田版でもその片鱗は覗える。例の地
「ですから、愚かにならないで、主のみこころは何であるかを、よく悟りなさい」(エペソ5:17)御心のままにと言いながら自分の判断で勝手な道を選んでいる事はないだろうか。人間の性として二者択一を迫られると楽そうな、得しそうな方を選んでしまう。あえて
バッハの「マタイ受難曲」の旋律を借用してポピュラー音楽化した曲で、1939年4月16日、ロンドンに生まれたダスティ・スプリングフィールドによって歌われている。名前だけは聞いた事があるが、この曲がなかったら特別な興味を持たないままだっただろう。60年
宇宙での光景や日常は何も変わらないが時間は確実に流れている。船内時間の経過を表す規則的な時と弛緩した体内時間が恒常時間平面を削る音が交差する。音色はミュージックソーを連想させる。音楽的には和音による主題に民謡調の安らぎを感じるが全体的に沈鬱
冒頭から三連符が連続する単調な伴奏がピアノに表れる。おそらく穏やかな波の動きを模倣しているのだろう。弦楽セクションのユニゾンでオフェンバックのカンカンの旋律が亀のもっそりした動きに合わせて極度に遅く演奏される。原曲は速さと激しさが売り物。こ
音楽的に似たところはないが、サティが好んで採用しそうな詩だと感じた。シャンフォールはフランス革命の頃に活躍した劇作家。辛辣な批判をするものの上流階級にもかなり人気があったようだ。この寓話もかなり鋭い風刺の中にユーモアがあって面白い。民衆的な
冒頭で重力波の影響で不安定なワープ空間をやっと抜け出した雰囲気が良く出されている。出口の空間は予想外に暗黒の世界だ。脱出後即パワーを全開にして素早く通常空間へ飛び出し危険空域を離れようと自動制御下の計器類があわただしく動く。宇宙の藻屑となり
第1楽章、 基本的に4つの和音を掻き鳴らした後に続く上昇音型のパターンでできた風格を感じさせる音楽だ。もう少しなだらかな旋律があっても良さそうだが、むき出しの鉄骨を組み合わせたような不思議な音響を生み出す。弦の上や胴を思いっきり叩いたりする特
冒頭に明るく弾むファンファーレが置かれ、チャンピオンの栄誉を讃えるような祝典的な色合いを醸し出している旋律が続く。基本的にこのテーマだけで成り立っているが、繰り返しの部分では力を奮起させ明日に掛けるイメージを打ち出しているような気がする。そ
「ときに、12年の間長血をわずらった女がいた。だれにも直してもらえなかったこの女は、イエスのうしろに近寄って、イエスの着物のふさにさわった。すると、たちどころに出血が止まった」(ルカ 8:43-44)長血は婦人病の一種だと推測されているが正確には分か
イタリア歌曲の巨匠トスティによるしみじみとした秋の歌に愛する人との別れをそっと潜ませている。とても優しい情感が心に潤いを与えてくれる名曲だ。トスティの歌の数々はほとんどイタリア語だが、この曲は英語が原曲。ぜひ英語で聴きたいところだが、あまり
いろいろな社会問題を取り上げて歌の中に織り込んでいる。多くの歌手のレパートリーとされているのでどこかで聞いた事がある人も多いだろう。ここで言われている友はもちろん面識のある直接的な友人とは限らない。何を訴えたいのかは当然読み取れるが、この歌
冒頭のぼこぼこいう音が気になる。溶けた溶岩の表面に浮く気泡が破れたらこんな音も想像するかもしれない。水星は太陽に一番近い老年期に入っている惑星だ。基地との交信は続く。今で言うならメールのやりとりみたいな感覚で楽しんでいるようだ。ピポパの通信
冒頭で奏されるフルートのトレモロがせわしげに期待感をかきたてる。ヴァイオリンとホルンが待ちきれずに飛び出すが、すぐにオーケストラ全体に律動が走る。本番の花火が打ち上げられる前にこれほど興奮しなくてもと思うが短い動機の反復にそれぞれの楽器があ
第1楽章、導入部を聴いただけで圧死しそうな陰がとぐろを巻いて隙あれば餌食にしようと獲物が飛び込んでくるのを待っている。管楽器の低音の重苦しさの中に判決を告げる小槌が不気味に打ち鳴らされる。3つの主題が複雑に絡み合ってのた打ち回るので正体がつか
なんとも艶かしい詩を書いたのはフランスの女流詩人ルイーズ・ド・ヴィルモラン、その詩を用いて歌曲にしたのはプーランク。曲には過激なところはなく、目を輝かせてありふれた夢を語るような喜びを感じるだけの美しさに溢れている。あまり聴く機会のないのは