冒頭から暖かい日差しを感じないだろうか。母親が眠っている赤ちゃんに注ぐ優しい眼差しのように。高音が煌めいているが、決して眩しすぎないように細心の注意が払われている。華麗さを強調するよりは上品な子守唄のような仕上がりだ。赤ちゃんの笑顔が見える。まさに天使の微笑だ。あまり聴くことはないがリストが優しく歌い上げた佳作だ。
3曲からなる「愛の夢」の第1曲。3曲とも歌曲からの編曲だが、ピアノ独奏曲としての詩情を深めることに成功している。歌詞を見ると、人間的な愛情ではなく、神が人に向ける愛を描いているようだ。その故か、人間的な情熱よりは打算のない清純な雰囲気が強い。《Franz Liszt(1811.10.22 – 1886.7.31):Liebesträume Nr. 1, S.541》
ログインしてコメントを確認・投稿する