mixiユーザー(id:1280689)

2017年02月05日13:00

142 view

博徒とハイジ

 昨夜、東映チャンネルでオンエアされた「博徒七人」。
 ばっちり録画しましたぜ。

 片目に片腕、せむしに盲目といった、身体にハンデを背負った七人のヤクザ者が、時には敵、時には味方となりながら卑劣な悪党に立ち向かうという任侠アクションであります。

 設定が設定だし、差別用語オンパレードなんでソフト化不可能といわれた作品ですが、なーに、「座頭市」だってリリースできるんだから、これだって全然OKじゃないですかねえ。

 だいぶ前に渋谷シネマヴェーラで一度観たきりで細部をかなり忘れてしまってたので、今回のオンエアは嬉しい限り。

 元々は瀬戸内海のある島で起こった石切り場の利権争いに絡んだ陰々滅々のハナシだったのを、脚本の笠原和夫が主人公達をカ◯ワにするという離れ業を使い、しかも妙に明るい活劇にしちゃったというのが実に愉快。
 いやホントに、なんか明るいんですよ、この映画。
 驚いたのが鶴田浩二演じる片目の半次郎。いつもなら渋くてドスの利いた芝居を見せる鶴田が、なんだか軽い軽い。こんな軽妙な俠客いるのかよ?ってくらいに軽い芝居を見せるんですねえ。
 いつもはえげつない悪党を演じる遠藤太津朗がここでは気弱な善人を演じてるのも、また異色。あと、黒澤明の「酔いどれ天使」を思わせる、ヤクザ嫌いの酔っぱらいドクターを西村晃がやってるってのもいいですわ。

 物語の転がし方、ちょっとした小道具の使い方、そして気の利いたセリフの応酬など、名手・笠原和夫の脚本技術がたっぷり楽しめる快作であります。


 話変わって。


 今、岩波書店の「ハイジが生まれた日 テレビアニメの金字塔を築いた人々」という本を読んでます。
 以前、東京新聞で連載されたものを単行本化したものですが、これが実に面白い!

 「アルプスの少女 ハイジ」を製作した瑞鷹エンタープライズ誕生のプロセスや、あの「ムーミン」製作に至るいきさつ、そして「ハイジ」製作時の裏話やスタッフの人間模様など、情報量たっぷりで実に興味深いです。

 世界でもあまり類のない「日常生活アニメ」というジャンルがいかにして成立したかが事細かに書かれているので、現在ヒット中の「この世界の片隅に」に感動した方にはぜひ一読をお勧めしたいですね。
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年02月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728    

最近の日記

もっと見る